2025/03/29 Sat
イボバン実験室 活動 理科教育 高等学校
【イボバン実験室】授業の工夫


Alii! 理科教育隊員の三浦です。
4学期ももうすぐ始まります。
私の任期も4か月を切り、先延ばしにしてまだあまり進んでいない活動に取り組んでいます。
先日は現職参加の同期隊員2名が任期を終えて帰国し、次はいよいよ自分の番だという自覚が一気に出てきました。
私は赴任前にJICAの派遣前訓練を受けて英語を勉強してきましたが、英語スキルに全く自信のないまま赴任しました。
赴任して1週間後には1人で授業を任され始め、悪戦苦闘しながら1年間なんとか乗り切りました。
自分で何とかするしかない状況で1番成長したのは「柔軟性」と「自分に対する寛容さ」かもしれません。


パラオは理数科教育が著しく遅れていると言われています。
しかし、高校で習う内容は日本と変わりません。
理科に関しては、物理・化学・生物の専門的な内容まで日本の高校生と同レベルのことが教科書に載っています。
数学に関しては、三角関数、複素数、指数対数、微分積分も習います。
日本のように大学受験の文化が無いので、毎学期の最終試験を乗り切ればいいだけで、長期的な定着ができていない、という意味の「遅れ」です。
だからこそ、物理や化学を教える(たまに数学も聞かれる)とき、基礎知識が無い生徒に、ハイレベルな内容を英語で教えることは、本当に骨が折れます。


逆に、大学受験が厳しくないからこそ、教科書の内容全てを完璧に身に付けることも求められているわけではないのです。
私は1年目の「ちゃんと完璧に教えなければ!」というプレッシャーからようやく解放され、今は「いかに生徒が興味を持てるか」「集中して授業を受けられるか」に重点を置いて、授業の内容を考えるようになりました。
最近では、アニメを見せたり、パラオの環境について調べさせたりしています。
生徒はPC等の機器を使わせると思いのほか集中して取り組んでくれるので、パワーポイント等の使い方を教えて、プレゼン技術も併せて教えています。
今では生徒だけでなく自分自身も、心に余裕を持って授業に取り組めています。
SHARE