JICA海外協力隊の世界日記

パラオ便り

【Ebiil日誌】Ngardmau州で子供達と植林活動!

Alii! 生態調査隊員の名取です!
先日、Ngardmau州にあるボーキサイト採掘場跡地にて、小学生たちと一緒に植林を行いました。

私の所属先であるEbiil Society Incでは、小中学生(Elementary school)や高校生(High school)を対象に、屋外授業や調査研究の機会を提供しています。
豊かな自然に触れるだけでなく、その成り立ちや生態系、直面する危機・問題について学ぶことで、自然保護や自然資源の持続的な利用への関心を高める狙いがあります。

日本統治時代には、Ngardmau州はアルミニウムの原料であるボーキサイト鉱(写真右下)の採掘場として知られていました。そのため、当時は多くの日本人が住んでいたようです。

採掘場としての役目を終えてから80年ほどの時が流れましたが、いまだに土が剥き出しの山肌がポツポツと目立っています。

Ebiilは、森林の修復およびその促進のため、数年前より当該地域への植林を開始しました。
この植林活動はオープンで、小学生の野外授業やEbiil主催のサマーキャンプの行事としても実施され、環境教育の場として活用されています。

今回は、Ngarchelong州、Melekeok州、Ngaraard州の3つの小学校から、Fifth gradeの小学生が25名ほどが参加しました。
みんなで協力して、6種類64本の苗木を植えました。

地面は硬いので、Ngardmau州のスタッフが、あらかじめドリルで穴を空けてくれています。
この穴に腐葉土を入れてから、苗木を植えます。腐葉土はパラオ語でKoiasと呼ばれています。発音は『こやす』に近く、日本語の「肥やし・肥やす」という言葉が残ったものなんです。
最後に、雨風による侵食を防ぐため、苗木はココナッツの殻と葉で覆われます。ここがとってもパラオらしくて素晴らしい!
侵食防止にココナッツの殻と葉を使う方法は、Ebiilが独自に考え出したものです。元々の方法では専用の道具を使うことになっていますが、自分たちの経済状況・環境に合わせて積極的にmodifyしていく姿勢に感銘を受けました。
真に適正な技術は、授く側の一方的な押し付けでは成り立たず、受ける側との双方向のコミュニケーションの上に築く必要があると感じました。

パラオに赴任してからのこの1年近くで、1500本以上の植林に立ち会うことができました。
下の写真は、今年の2月に植えた苗木の8月時点での様子です。半年の間に随分と大きくなりました。
数十年後には、小さな森になっているのでしょうか。いつかパラオへ戻って、この目で確かめてみたいところです。

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