JICA海外協力隊の世界日記

パプアニューギニア便り

パプアニューギニアでネリカ米栽培!農業実習の様子をお届け!

Apinun(ピジン語:こんにちは)パプアニューギニア(以下:PNGで野菜栽培隊員として活動している鈴木です。
私は、ソゲリ地域にあるイアロワリ農業工業高校にて農業を指導しています。


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今回は農業実習でネリカ米を扱ったのでご紹介します。

私は、先日実施された、農業分科会の研修を経て稲作を実習に取り入れようと決めました。

栽培品種はネリカ米といわれる陸稲です。この品種は乾燥・病気に強いアフリカ稲と
高収量のアジア稲を交配することで開発されたもので、灌漑設備が整っていない地域でも栽培可能です。

種籾は首都で入手を試みたものの流通量が少なく、
JICA研修生の協力を得てようやく入手することが出来ました。入手するまでに1か月ほどかかりました。

実習では、生徒たちに土壌整備・種籾の浸種・仮移植・移植・灌水など、一連の作業工程を指導しました。

上の写真は移植作業中の様子です。写真を撮る生徒や、自分たちの植えた稲に名前を付ける生徒もいて、にぎやかに取り組んでいました (実習風景:苗床と圃場整備)

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ところで、当校の寮生には13食の給食が提供されていますが
いったい何を食べているでしょうか??

その答えは、3食すべてご飯と一品のおかずです

男女約700名の寮生がおり、1食あたりのお米の消費量は約60キロ
つまり1日180キロものお米が使われています。

学校は給食費として、生徒一人あたり年間250キナ(約8,750円)を徴収していますが、
それだけではとても賄えないので、政府の助成金で成り立っています。
ちなみに、お米
10キロの価格は60キナ(約2,100円)ほどです。

お米はイモ類に比べて調理時間が短いため、給食向きの食材という印象を持ちました。
なお、以前に巡回していた刑務所でも、
13食すべて米食でした。

ふと、自分が中学生の頃、
栄養バランスの整った給食を腹いっぱいに食べていた記憶がよみがえってきました。

そして、改めて、1日180キロのお米を栽培するためには、どれだけの面積や労力が必要か?

日本の稲作事情をネットで調べながら、私自身もあらためて考えさせられました。

上の写真は仮移植の様子を説明した後、生徒たちが土壌整備に励んでいる様子です。
日本の稲作風景とは異なり
とても新鮮な気持ちで指導にあたっています

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PNGは年間を通じて3期作が可能だと言われていて、
私の任地であるSogeri地域は首都の水瓶と言われるほど水資源が豊富なエリアです

そのため、生徒や同僚地域住民の皆さん、
そして私自身もこの稲作実習の結果に期待しています

実は、赴任時の表敬訪問の時に、稲作について関心が示されており、
「出来たらやりたいな
とずっと思っていました。
こうして
ネリカ米を用いた活動がPNGで展開できて嬉しい限りです。

残念ながら私の任期は収穫の直前または直後に終了してしまいますが、
最後まで見届けたいと思います。

収穫後の工程(ポストハーベスト
についてはJICAの技術協力プロジェクトの成果品である
「陸稲ハンドブック
を活用し、私が不在でも同僚が運営出来るように指導する予定です。

上の写真は放課後に生徒が灌水を行っている様子です。
乾季に入ってきた今日この頃、毎朝の水やりが欠かせません。
ちなみに学生の起床時間は
530です。

他のPNG隊員の記事 →JICA海外協力隊 世界日記(パプアニューギニア)

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