2026/07/31 Fri
小学校 活動
ポポンデッタにて教員研修会を行いました。

こんにちは、パプアニューギニア(以下、PNG)派遣隊員の満尾洋祐です。
2026年6月15日から16日にかけてオロ州はポポンデッタ小学校において開催されました教員研修会の様子をお届けします。
今回の教員研修会は、日本の支援により作成された算数の国定教科書の効果的な活用方法についての共有と現地の先生方の指導力の向上を目的に、PNG国内の小学校に派遣されている隊員によって計画・実施されました
1日目の午前は、日本式の授業研究会に則り、会場であるポポンデッタ小学校の先生の皆さんから代表で示範授業をしていただき、その様子を他の先生方に観察していただきました。
示範授業を行うポポンデッタ小学校の教員

示範授業を聴講するポポンデッタ小学校の教員
1日目の午後は、場所を変えて、代表の先生による示範授業から得た気づきや学び、改善点などをワークシートに記入していただき、隊員がファシリテーターとなって議論の時間が設けられました。
示範授業後の授業研究会(ワークシート記入)
模擬授業では、小学校3年生(Grade 3)の学習内容より、「足し算の筆算」及び「引き算の筆算」の単元が取り上げられました。両単元ともに、【10の位の数のかたまり】と【1の位の数のかたまり】に分けて考えることで、子どもたちがつまずきやすいポイントである繰り上がりや繰り下がりの概念を視覚的に分かりやすく教える授業展開について共有されました。模擬授業では、現地の先生方が児童役として聴講していましたが、皆さんが挙手を行い発言すると、金本隊員は褒めたり、新たな気づきに誘導するような問いかけを行ったりする様子が見られ、そのたびに会場の現地の先生方のお顔が明るくなっていきました。子どもたちのモチベーションを最大限に高めて、算数を好きになってもらえるような工夫を日々行いながら日々の授業に臨んでいる、金本隊員のしなやかで力強い姿を垣間見ることができました。

金本隊員による模擬授業
小林隊員からは、PNGの学習指導要領の文脈における日本の支援により作成された算数の国定教科書についての意味とその特徴から、その効果的な活用方法についての日々の授業における具体的な実践例についてのプレゼンテーションが行われました。模擬授業では、小学校5年生(Grade 5)の学習内容より、「面積と合同な図形」の単元取り上げられました。現地で調達可能な資源である段ボールを使った画期的な視覚教材を利用することで、子どもたちの図形に対する感覚に訴え認識能力の向上をさせることについての可能性について理解することができました。また、コンパスを用いて合同な図形を作図する時間では、慣れない手つきでコンパスを操作する現地の先生方に寄り添いサポートする小林隊員の姿から、子どもたちと正面から真摯に向き合う彼の日々の様子が容易に想像できました。

小林隊員による模擬授業
現地の先生方にとって、小学校に配属されている上記2名の隊員による模擬授業は、板書や視覚教材、具体物の活用といった実践的な手法を共有したことで、次の日からすぐにご自身の授業へ応用することができると感じられたようでした。また、2名の隊員それぞれの教育哲学や授業に対する熱い姿勢が感じられる貴重な機会となったようです。今回の教員研修会で、私のなかで特に鮮やかな記憶として残っているのは、1日目の現地の先生の代表による示範授業の後の授業研究会においての一幕です。授業研究会においては、忖度なしの自由闊達な意見交換が行われました。示範授業を行った先生ご本人が、緊張の面持ちで一人ひとりのコメントを真摯に受け取り噛み砕きながら、そのすべてを追いかけて一生懸命にノートに書き留めようとされる姿は、私の目に非常に印象的に映りました。先生方の代表として示範授業を行った先生は、他の大勢の先生方の前でご自身の授業のデモンストレーションを行い、授業研究会で議論の対象になることについて、相当の勇気が必要であったかと想像します。それでも、自らすすんで先生方の代表となり、今回の教員研修会のキーパーソンとなっていただいたことに、心から敬意と感謝を表したいです。
PNGの先生方が、未来の子どもたちのより良い学びのために、そして彼・彼女たちによって創り上げられる素晴らしい国の将来に資するために、向上心をもって力強く進んでいる姿を再確認することができたと感じています。
我々隊員は、質の高い教育の提供の基盤を積み木のように一つひとつ積み上げるまでのプロセスを後押しする存在であり続けるために、これからもPNGの子どもたちや先生方、地域の人びとと手を取り合って、日々の活動により熱量を注いで参ります。

ポポンデッタ小学校の教員の皆さんとの記念撮影

ベセル小学校・クルセイド小学校の教員の皆さんとの記念撮影
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