JICA海外協力隊の世界日記

パプアニューギニア便り

第5回 パプアニューギニアの空から、こんにちは(ミルンベイ州サマライ島) 

JICA海外協力隊の中西と申します。このコーナーでは、ドローンの空撮動画を通して、私の活動やパプアニューギニア(以下、PNG)の魅力を発信したいと思います。

この度の第5回ですが、出張の際、訪れたミルンベイ州サマライ島、その周辺の海について、そこで出会った不思議な光景と地域の伝承を紹介します。

サマライ島は暖かな珊瑚海に浮かぶ小さな島(写真1)です。太平洋戦争前から珊瑚海とソロモン海を結ぶ交通の要衝として発展しました。かつては真珠や白蝶貝を求めて多くの日本人が住んでおり、そのご子孫の記録1)が残っています。島の日中は日差しが厳しく、エメラルドグリーンの海と常緑の森(写真2)、青い空が広がります。

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(写真1)              (写真2)

夕方になると空には雲が低く垂れ込め始めます(写真3)。宵の口になると雨がゲストハウスの屋根をたたき、夜更けには静かに止んでいます。明け方、海の向こうには低い雲と霧雨を背景に小さな島(写真4)が浮かぶように、海と空の境目が白く霞んでいます。

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(写真3)                 (写真4)

やがて太陽が昇り、雲はゆっくりと動き始めます。ドローンを上昇させて雲に近づくと、雲の真下は雨が降っていることが判ります。その雲と霧雨の狭間にある雨滴に朝の光が反射して、カメラを中心に光のグラデーション(写真5)が広がります。そして、朝日の背後にある島には虹が映し出されます。拙い言葉の描写ではなく、空撮動画をご覧いただければ幸いです。

この虹が立つごく稀な現象(写真6)について、PNGを含む太平洋メラネシアからオーストラリア先住民では「虹の蛇」の伝承2)があります。オセアニア神話の「虹の蛇」は、水と生命、世界の創造を司る神や精霊と語られています。乾季は水底に潜み、雨季に天へ昇り虹になると信じられています。その巨体で川や山を形作り、海水を体内で真水に変えて流し、大地に豊かな恵みをもたらす創造者として畏怖の対象となっています。

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(写真5)                 (写真6)

今、眺めている光景はまさに「虹の蛇」の恵みの雨であり、海から生まれた雲が雨を降らせ、その雨が島の自然を育てる。珊瑚礁も、植物も、そこに暮らす人々も、この大きな循環の中にあり、海と空と島がつながっていることを実感できます。

最後に、この光景に出会えたことに感謝します。そして、この美しい自然と人々の営みが、いつまでも豊かな恵みと祝福で満たされますようにお祈りします。

1) 日本・パプアニューギニア協会会報「ごくらくちょう」NO.36 (2012)
2) Oceanian folktales.com Stories of the Pacific spirit
https://oceanianfolktales.com/the-rainbow-snake/
https://oceanianfolktales.com/the-rainbow-snake-2/

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