JICA海外協力隊の世界日記

パプアニューギニア便り

教会は、祈るだけの場所ではない? 〜パプアニューギニアの地域コミュニティに迫る〜

こんにちは!パプアニューギニア小学校教育隊員の小山拓真です。現在は、ココポ小学校で働いています。

パプアニューギニアは、キリスト教を信仰する人が多い国です。土曜日や日曜日になると、教会へ向かう人々の姿を見かけます。

私も、教会は人々が集まり、礼拝を行う場所という認識を持っていました。しかし、ある先生との何気ない会話をきっかけに、教会が持つ別の役割について知ることになりました。

ある日の放課後、先生が自分の教室で何やら作業をしていました。

「教材研究ですか?」

そう尋ねると、返ってきたのは意外な答えでした。

「来週の教会でのアクティビティの準備をしているんだよ。」

詳しく聞いてみると、その先生が通う地域の教会では、週末に地域住民を対象とした学習会が開かれているとのことでした。

そこでは、会計士や建築家、医師など、地域に住むさまざまな分野の専門家を招き、それぞれの専門知識を生かしたレクチャーが行われています。驚いたことに、講師を務める専門家たちは、ボランティアとして無償で知識を共有しているそうです。

その先生は、こう話してくれました。

「私たちには、まだまだ学ぶことがたくさんあるからね。」

さらに興味深かったのは、学校の先生たちが、こうした教会でのアクティビティの企画や運営を担っていることです。

学校で子どもたちに教えるだけでなく、地域の大人たちが学ぶ場づくりにも関わっているのです。

ちなみに、その日のスケジュールを聞いてみると、朝8時30分から夕方17時過ぎまで。ほぼ丸一日をかけて活動するそうです。

先生たちにとって、週末は学校の仕事から離れて休む時間というだけではないようです。教会を通じて地域の人々と関わり、学び、活動する時間でもあるのだと感じました。

もう一つ、興味深い話がありました。

その教会には、必ずしも同じワントク(Wantok)の人々だけが集まるわけではないそうです。出身地や民族的な背景の異なる人々が一堂に会するとのことでした。

パプアニューギニアでは、ワントクと呼ばれる言語や出身地などを基盤とした人々のつながりが、生活のさまざまな場面で大切にされています。そんな社会のなかで、異なる背景を持つ人々が教会という場所に集まり、同じ時間を過ごしている。そこにも、教会が持つ役割の一端があるように感じました。

この話を聞いて、私が考えたのは、教会が地域のコミュニティを支える一つの基盤になっているのではないか、ということです。

社会には、行政などの公的な仕組みだけでは十分に行き届かない部分があります。そうしたなかで、地域の人々が自ら集まり、知識を共有し、互いに学び合う。教会が、そのような「共助」の場として機能している可能性があります。

もちろん、今回の話だけで、パプアニューギニア全体の教会の役割を語ることはできません。また、教会が公的な仕組みを代替していると断言することもできません。

それでも、一つの先生との対話から、教会が礼拝の場にとどまらず、地域の学びや人々のつながりを生み出す場所にもなっていることを知りました。

考えてみれば、学校は子どもたちが学ぶ場所ですが、地域の人々が学ぶ場所はどこにあるのでしょうか。

今回の話を聞いて、教会もまた、その役割を担っているのかもしれないと思いました。

実は、私はまだ任地であるココポの教会に足を踏み入れたことがありません。

だからこそ、まずは自分の目で見て、現地の人々がどのように教会と関わり、そこで何を感じているのかを知りたいと思います。

地域を知るということは、学校や職場だけを見ることではありません。その人たちが集まり、学び、支え合う場所に目を向けることでもあるのだと思います。

次は、教会の中をのぞいてみたいと思います。

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