2025/02/12 Wed
「わたしたちパラグアイ農業隊員です」#1 はじめての部会!


Hola! Cómo está?(スペイン語:やあ!調子はどう?)
家畜飼育隊員のあまねです。パラグアイに来てもうすぐ5か月が経ちます。
突然ですが、現在パラグアイでは6人(到着されて間もない新規隊員さんも含めると7人!)の農業系隊員が活動しています。
パラグアイの農村地域では兼業農家が多く、畑作と畜産の2つで生計を立てるケースがほとんどです。そのため私達農業隊員は自身の職種にとらわれすぎず、広い視野をもって活動を進めたいと考えています。
そこで今回、新たに「農業部会」を立ち上げました!!
国内の農業機関で、研修や意見交換会などを定期的に開催し、そこでの学びをそれぞれの任地に活かしていければなと思います。


さっそく1回目の部会ということで、今回はアルト・パラナ県のイグアス市を訪問しました。
イグアスは日系移住地として有名で、CETAPAR(セタパール)という日系財団が運営する農業技術センターがあります。
このセンターでは土壌の研究や、フィールドでの栽培実験、さらに帯広畜産大学との連携事業によるモデルファーム(酪農)などが運営されています。
ラボ見学で、土壌中の成分に関する実験の説明を聞くようす。職員の方々に丁寧に解説してもらいましたが、専門用語が多すぎて難しかった…。
みなさんとっても親切に迎えてくれました。職員の方の制服に日本の国旗があり、パラグアイと日本のつながりを感じて嬉しかったです!
研究所を訪問し、その後は農場に向かいました。こちらでは近隣の農業大学の学生が卒業研究を行っていたり、ここで作った堆肥を販売したりしているようです。堆肥をつくっている様子を見せてもらいましたが、大量のミミズがいてとても養分が豊富な状態でした!(笑)
そして次に向かったのは、私の母校(帯広畜産大学)と関わりのあるモデルファームです。
牛舎や飼料について説明を受け、夕方の搾乳にも立ち会わせて頂きました。牛の状態や搾乳場の衛生環境も良く、まるで大学での搾乳実習を見ているかのような丁寧な作業に驚きました。遠く離れたパラグアイでも、こうして技術が根付いているのはとても素晴らしく、いつか私の任地でもこのような光景を作りたいと思いました。
先輩隊員がCMT検査(少量の乳に検査液を混ぜ、粘度や色の変化で乳房炎の診断を簡易的に行うもの)を実施してくれたのですが、結果は16頭中1頭のみ!!びっくりです。
私の任地ではこの検査を不定期に複数の農家さんで行いますが、だいたい半分以上の牛が1房以上乳房炎を患っています…!
乳房炎の発生には様々な要因が考えられますが、搾乳衛生の改善に取り組むことはやはり重要だと感じました。


また、空き時間にはイグアス農協の運営する「と畜場・食肉加工場」も見学しました。
素手で生肉をさばく職員さん、ワイルドでした。ケガには気を付けて…(笑)
と畜場から出る排水を独自の技術で処理・加工し、周辺の広大な畑に撒いているそうです。
ここでも語学の壁が立ちはだかり、100パーセント内容を理解できたわけではないですが、職員の方の声音やその熱量から「資源を余すことなく使うこと」の大切さを感じました。
パラグアイ(農村地域)では一般家庭でも自家消費用に牛をと畜し、自分たちでお肉にしちゃいます。そして肉以外にも骨、革、角など使えるものは全て使い切っています。いざ解体現場にでくわすと少しびっくりしますが、スーパーで量り売りやトレーに入った肉を買うよりも、イメージの湧く自然な暮らし方だなと思います。
肉食文化の強い地域ならではの生き方を間近で見て、色々考えさせられる日々です。
はじめての部会の活動、そして久しぶりの日本食&日本語生活を堪能出来て、かなり有意義な時間を過ごすことが出来ました。今後の予定に関してもメンバーと話し合えたので、来年以降の活動も楽しみです!
また次回お会いしましょう~ Chao chao!(スペイン語:またね!)
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