JICA海外協力隊の世界日記

フィリピン便り

Uite Mate Training

Ma Ayadayad nga Odtro agahon
(“マ アヤッドアヤッド ンガ オッドトロ アドラオ” 任地のアクラノン語で、こんにちは。)

フィリピン防災・災害対策隊員のSakaです!
パナイ島 カリボ町役場で、防災・災害対策を行っています。
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フィリピンでは、洪水や台風といった水に関する災害がすべての災害の約80%を占めており、
また、1964年から2023年までの60年間の洪水発生数を調べると、
近年は約3倍の頻度で洪水が発生しているといった調査結果もあります。

例えば、12月のある日曜日、朝方からザーザーと降り続く雨に、
「12時間雨量50ミリ程度だろう」
と高をくくっていたら、自宅の前の道が膝下まで洪水が起きていたということも実際ありました。
私も油断していましたが、そのぐらいフィリピンでは洪水が簡単に起きてしまうのです。(写真①)

突然ですが、みなさんは、泳げますか?
経済開発協力機構(OECD)が「世界における水泳スキル(Swimming skills around the world)」をインターネットに掲載しています。
これによると、幼少期(幼稚園・小学校)での水泳スキルの取得が鍵を握っているようで、
1位はスウェーデン(95.1%)
日本は40位(62.5%)
フィリピンは75位(47.4%)

つまり、フィリピンでは、10人に4.7人しか泳げない、ということなのです。
仮に泳げたとしても、川や海でずっと泳ぎ続けることは難しいですよね?
そこで、日本で提唱され始めたのが、「Uite Mate」で、その名の通り、「水に浮いて救助を待つ」です。

今回、国の機関から研修会の講師の指名を配属先が受け、3泊4日で研修会へ参加してきました。
場所は、以前の私の世界日記にも出てきたリゾート地 ボラカイ島です✨️
内容は、講義と実技なのですが、この実技の「Uite Mate」が、まぁ難しい。(写真②)

なぜか。
みんなガッチガチに体に力が入ってしまうからです。

「ほら、息を深く吸ってみて(肺が風船の役割を持って浮いてくれるから)
そうそう、浮いてる状態で顔起こしたら沈んじゃうよ(バランスが崩れるため)
怖がらないで、リラックスだよ! 」

と、ポイントを交えて参加者を鼓舞しながら、同僚含め私達頑張りました(写真③)
(常夏のフィリピンと言えども数時間水の中に居続けるのは寒すぎて、こっちが溺れそう)

この「Uite Mate」、最後の手段として考えられていて、
基本的には救命胴衣を身につけて、自身の命を守るよう、お願いしています。
でも、途上国にまたはフィリピンに本当に必要な防災教育ってこういうことなのかもとしみじみと感じました。

「Magandang araw (“マガンダン アラウ” タガログ語で、良い一日を)!」

【 Saka/防災・災害対策 】

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