JICA海外協力隊の世界日記

フィリピン便り

フィリピンと日本

フィリピン家畜飼育隊員の"くど"です。
ネグロス島ドゥマゲテ市にある酪農協同組合で、乳製品加工の活動をしています。
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今日は、任地で見つけた日本の痕跡についてお話してみようと思います。

ドゥマゲテに配属されて間もない頃、現地の友人に日本の神社を観に行こうと誘われ、

市内から少し離れたある山の上に行ってきました。

当時はどうして神社がこんなところにあるのか半信半疑でしたが、

市内からトライシクルで20分ほど揺られた先、海を見渡せる小高い山の頂上に、

椰子の木に囲まれた鳥居が現れました。

フィリピンの南の島で目にする鳥居はなんとも不思議な光景でした。

後から話を聞くと、ここは第二次世界大戦中に命を落としたフィリピン人と日本人のために

建てられた記念碑で、両国の平和と友好を願うための場所だということがわかりました。

そこには老齢のフィリピン人女性がおり、この施設の管理をしてくださっていました。

こちらの写真はドゥマゲテ市の隣町、バレンシアにある戦争博物館に行ってきた時のものです。

館内には当時の遺物が展示されていて、手紙やコーラの缶など、

戦時中の生活が垣間見えるものが並んでいました。

博物館の展示品のほとんどは、館長さんが山などで自ら収集したものだそうです。

そこには、錆びた砲弾や手榴弾、日本刀や銃剣などが展示され、

かつてここで戦闘があったことが感じられました。

約80年も前、この島で起こった戦闘と、それを乗り越えて

現在の平和と友好が築かれているという事実に、深い感慨を抱きました。

案内してくれたフィリピン人の友人がどんな想いでこの場所を紹介してくれたのか、

想像すると少し辛い気持ちになりましたが、こうして歴史を学ぶ機会を与えてくれたことに感謝し、

この歴史に向き合っていきたいと思います。

【 くど/家畜飼育 】

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