2025/01/23 Thu
活動 生活
レスキュー車と救急車
フィリピン防災・災害対策隊員のAkihiroです。
ルソン島 クエンカ町役場で、防災・災害対策活動を行っています。
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今回は私の活動先が業務で使用しているレスキュー車と救急車を紹介します。
まず初めに私が活動を行っている場所は町役場に設置されている
災害危機軽減管理事務所という部署になります。ここでは普段の業務として
✓災害モニタリング
✓避難情報の発令
✓交通事故等で発生した傷病者の救助・応急手当
✓病院までの搬送
を主な業務としています。
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【 レスキュー車 】
交通事故等で傷病者が発生した場合は、この車でサイレンを吹鳴し現場まで駆け付け、
傷病者の救助や手当を行います。日本のレスキュー車(救助工作車)は消防庁の告示により
積載しなければならない資機材が決まっていますが、
フィリピンでは市町村の予算に応じて資機材が積載されますので
市町村により資機材の積載状況は大きく異なります。
では私の活動先はどんな資機材を積載しているかというと
10mロープ、応急処置セットしか積載していません。
事務所内には大型スプレッター・カッター、チェーンソー等の資機材はありますが、
レスキュー車が青空駐車されていることやピックアップトラック車両であるため
資機材を盗難される可能性があることから普段から資機材は積載していません。
事故状況から資機材が必要と判断されたときに事務所内の資機材をレスキュー車に積み込み出動します。
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【 救急車 】
突然の意識消失、呼吸苦、胸痛などの内因性疾患の方々や
救助した傷病者を病院まで搬送する必要がある場合にこの救急車が現場に出動します。
救急車内には
●ストレッチャー
●酸素投与機器
●応急セット
●スパインボード(脊柱を固定する板) のみ設置されており
日本の救急車と比較すると医療機器の種類や品質には雲泥の差がありますが、
ここフィリピンではこれでも立派な救急車です。
また日本の救急車はストレッチャーを免震装置の上に格納するため車の振動はかなり軽減されますが、
フィリピンの救急車には免振装置がないのが一般的であるため
傷病者を載せて走行する場合は道路状況を見極め慎重に運転する必要があります。
日本の119番通報のように統一した緊急通報番号はなく、救急車の要請は
(1)事務所の一般電話
(2)警察官、消防官、交通整理員からの無線連絡
(3)先着したレスキュー車のメンバーからの無線連絡
のどれかで覚知することがほとんどです。
(写真下:御年37歳の消防車)
フィリピンでは世界各地から寄贈された消防車・レスキュー車・救急車や
カラフルなデザインの緊急車両が日々活動していますので、
元消防官としてはどんな緊急車両が活動してるのか観察するだけでも楽しいです。
日本では数十年前に引退した消防車や救急車も見かける機会があるので、
フィリピンにお越しの際には、緊急車両に少し注目してみるのも楽しいかもしれません。
【 Akihiro/防災・災害対策 】
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