2026/06/09 Tue
活動
隊員Gのセントルシア日記_80 〜Think First〜

私の配属先のカレッジにはハウス制度があります。すべての学生・スタッフが、4つのハウスのいずれかに所属しているのです。ハウスは、旧宗主国イギリスのパブリック・スクールに起源をもつ、学校文化です。ハウス制度の目的は、まず「縦のつながり」。クラスにおける同一学年どうしの横のつながりだけでなく、上級生と下級生がつながることにより、ハウスは責任感や協調性を培う場となります。次に「帰属意識」。クラスだけでなく、より大きな集団であるハウスに所属することで、学校内に居場所を感じやすくなります。そして「互いを高め合う競争」。スポーツや文化イベントをハウス対抗で行うことで、健全な競争が互いの成長機会となります。日本にも、例えば運動会において、紅組、白組などに分かれて得点を競い合う学校があります。ところが、運動会が終わると、紅組、白組もその時点で解散してしまうのではないでしょうか。私たちのカレッジでは、トーマス、ルイス、フランソワ、ウォルコットという4つのハウスが、アカデミック・イヤーの1年間(9月〜6月)を通じて、得点を競い合うのです。映画ハリーポッターの魔法学校ホグワーツのハウス間の競争では、学業成績も加算されていましたが、さすがにそこまで個人情報が問われることはありません。しかし、陸上競技会、マラソン大会、クイズ大会など、さまざまなイベントにおいて得点が加算されますので、参加する側はもちろん、応援する側も真剣そのものなのです。

私は、スタッフとしてウォルコット・ハウスに所属しています。すでに、Tシャツ2枚、ポロシャツ1枚を持っており、ウォルコットへの愛着心はイベント毎に高まりつつあります。ハウス・カラーである緑は、偶然にも、私のラッキーカラーでもあるので、気分は益々盛り上がります。昨年11月には学内の5kmマラソン大会に参加して完走しましたので、少しはハウスの得点に貢献できている、という自負もあります。
そんな私が、今回ウォルコットのスタッフ代表として、「トリビア・ゲーム・ショー」に出場したのです。各ハウスの学生代表1名とスタッフ代表1名がチームを作って、トリビア・クイズに解答し、得点を競い合うイベントです。「カレッジの足跡」「セントルシアの歴史と文化」「科学・技術」「カレッジ・スポーツ」「一般雑学」が出題される範囲となります。私以外は、どの出場者も若いルシアンです。唯一、私だけが外国人であり、かつ年配者なのです。しかし、ハウス・ミストレスに誘われるようにして、推薦され、出場を決意することになりました。もちろん、出場するからには、予習が必要です。あらかじめ、予想問題として、「カレッジの歴史・50問」「セントルシアの歴史・100問」「セントルシアの一般常識・50問」「デレック・ウォルコット作品年表」を渡されましたので、幾度も読み返して、暗記することを心がけました。

歴代首相の氏名であったり、詩人デレック・ウォルコット氏の作品が発表された年であったり、とてもトリビアとは思えないクイズも、予想問題には掲載されていました。しかし、おかげさまで、George F. L. Charles 空港やJohn Comptonダムが、首相経験者のなまえを冠していることを知りました。また、ノーベル賞を受賞したデレック・ウォルコット氏の代表作「OMEROS(抒情詩)」を味わってみたい、という気持ちになることもできました。何より、大好きなセントルシアやサー・アーサールイス・コミュニティーカレッジのことを、より深く理解できたことを、とても嬉しく思っています。大会当日は、主催者の思惑どおり、知識、クリティカル・シンキング、チーム・ワークが試される場となりました。結果は残念ながら四位とふるいませんでしたが、互いの健闘を讃えあう清々しいイベントであったことを書き留めます。そして、これからもチャンスがあれば、積極的にチャレンジし、どんどん新たなチェンジを試みていきたいと思います。カレッジは、私にとっても学びの園なのです。
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