2026/06/09 Tue
観光
KAZのつれづれ「海を渡った日本の農業」
セントルシアの美しい浜辺の村 Anse La Raye
を再び訪れることになった。
そこで、偶然足が向いたのが
New Flower Regenerative Garden。
看板も出ていない。
地元の人に聞いてもわからない。
道路の突き当りでこの先はなさそう
と思われるところに立派な民家がある。
そこで、民家のファミリーに声を掛けられる。
Googleマップを見せたらここだという。
New Flower Regenerative Garden 名前の通り、
美しい庭園ではあったが・・・
ここは観光用の庭園というより、
親子3代で開拓した自然農法の農園だったのだ。
見学の料金も何も書かれていないので、
料金はと聞くと35ECDとのこと。
なので、40ECD(2,400円)払って案内を受けた。
彼はFuku・・・と言いかけたが、
日本人の名前が出てこない。
今度は、ONE-STRAW REVOLUTIONを調べてみろ
と言う。
福岡正信『自然農法 わら一本の革命』春秋社
THE ONE-STRAW REVOLUTION
農園のオーナー Damian Adjodha氏は
日本の福岡正信氏の提唱する自然農法に感銘を受け
セントルシアでこの自然農法を実践している農家だ。
勿論、セントルシア流と日本流の複合技術ではと思う。
福岡正信氏の農法では、
不耕起(耕さない)、無肥料、無農薬、無除草
を四大原則としている
福岡正信の思想の核心は、
人間が自然をコントロールしようとするほど
自然のバランスを壊してしまう。
農業とは自然を支配する技術ではなく、
自然の働きを助ける営みである。
ということのようだ。
Damian Adjodha氏はキューバとカナダで農学を学んだと言うが、
彼が感銘と影響を受けたのが日本の自然農法
しかも、そんな彼を
ふらりと日本人がGoogleマップを見て訪ねてきた。
今日の物語は、そんな感じだ!!
写真は落ち葉で作った腐葉土のようだ。
集めた落ち葉を第一ステップ、
そのまま放置し熟成したら第二ステップ、
いよいよ肥料として使えるようになると第三ステップ
場所を移動しながら落ち葉を熟成していくのだ。
写真は家庭の生ごみコンポストのドレンを下から抜き
コンポスト液肥
廃液を液肥として活用している。
これは福岡農法ではなく、
彼流、セントルシア流のようだ。
福岡氏の考え方は、
肥料を一切与えるな
ではなく、
正確には
外部から肥料を持ち込まなくても
自然の循環で
肥沃度を維持できる
である。
畑に敷き詰められたわらの意味
これこそ福岡農法の象徴。
著書『わら一本の革命』のタイトルそのもの。
わらには、
雑草抑制 地表を覆うため雑草が生えにくい
保湿 土壌水分を保持
温度安定 直射日光を遮る
土壌生物育成 微生物やミミズの住処
有機物供給 分解されて土に戻る
という役割がある。
そして、
混植(異なる作物を密集)
も福岡農法と深く関係する。
混植すると
- 病害虫分散
- 土壌利用効率向上
- 光利用効率向上
などが期待できる。
写真はマリーゴールド
マリーゴールドは典型的なコンパニオンプランツ
害虫忌避効果が期待される。
福岡氏が直接提唱した技術ではないが、
「農薬ではなく生態系で対処する」
という思想には一致するもの。
この農園は私にとって本当に学びの庭であった。
見学を終えて、
彼と二人のQ&Aの時間となった。
この農園の農作物はスーパーマーケットや市場に出すことなく、
レストランやホテルのダイレクトセリングと言っていた。
やはり自然農法の農作物を正当な価格で評価してもらうには
価値を理解する顧客に直接売るのが良いのだろう。
そして、
自分自身の重たい問いかけ、
国内産品が輸入品に対抗できないのはどういう点か?
と問いかけた。
12月とか、市場が欲しがる時期に市場に出せること
と彼は言った。
セントルシアは11月から乾季となりクルーズ船客が押し寄せる。
需要の高い時期に市場に出せなければ
輸入品に対抗できない。
今日は入園料以上の学びがあった。
彼とは再会を約束して、農園をあとにした。
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