JICA海外協力隊の世界日記

セントルシア便り

KAZのつれづれ「アルジェの戦い」

印象に残る映画のひとつに
「アルジェの戦い」がある。

アルジェリア解放戦線の
アルジェリア独立に向けての
ドキュメンタリー風映画。

1966年のイタリア映画である。

アルジェリアの首都アルジェの
カスバ(城塞都市)で
繰り広げられるアルジェリア解放戦線
の独立戦争。

リアルな市街地戦だ。

彼らに手を焼いたフランス軍は
解放戦線の組織について全体像を
とらえることが出来ない。

そこで戦士をとらえては
拷問で自白させ
つながりのある人物を
次々と芋づる式に検挙していく。

そして、
ついにアルジェリア解放戦線の
リーダーのアジトにたどり着く。

アジトに立てこもった
アルジェリア解放戦線の中心メンバーは
フランス軍の投降呼びかけを拒み
彼らはアジトごと爆殺される。

・・・という話。

アルジェリア解放戦線のメンバーは
根絶やしにされ、
映画はここで終わると思われた。

ところが、
映画のエピローグ
アルジェリア独立への動きは
その後大きなうねりとなり、
ついにはアルジェリアの独立
を達成する。

絶体絶命!

これで終わりと思われた
アルジェの戦いは
終わってはいなかった。

JICA海外協力隊 
帰国報告会では、
「私はこれをやりました」
という話を聞く。

そして、協力隊員のOBが集まると
「結局、任国に何も残せなかったな」
と話しをする。

現地で1年以上過ごしてみて、
実はこのいずれも真実であり、
「やった」けど「何も残せなかった」
は矛盾なく共存している。

アルジェリア解放戦線は
カスバ(城塞都市)における局地戦では
華々しい戦果をあげる。

しかし、やがて組織は追い詰められて
アルジェリア解放戦線のメンバーは
根絶される。

帰国時の隊員が
「結局、任国に何も残せなかったな」
と感じるのは
そんな心境かもしれないな。

アルジェリア解放戦線は
本当に何も残せなかったのだろうか。

彼らが人々の心の中にまいた種は
やがて独立運動として大きく育ち
アルジェリアの独立達成という
大きな果実をもたらすことになる。

JICAの協力隊員にとって
「魚を与えること」は比較的容易であろう。

しかし、
「魚の釣り方を教えること」は難しい。

なぜなら、
現地が魚の釣り方を学び実践し
その豊かさを享受するところに
ゴールポストがあるからだ。

だから、
「結局、任国に何も残せなかったな」
という振り返りとなってしまうのだろう。

予算の問題であったり、
人の問題であったり、
さまざまな要因によって
ゴールにたどり着かないことも
あるかもしれない。

であっても、
「何も残せなかった」のではないと思う。

現地にまいた種、
しばらくは土の中で
眠り続けることもあるだろう。

しかし、
時期が来れば芽を出し
数年の後には大きな木に育ち
果実をもたらすかも知れない。

目の前の成果だけを
追い続けるとそうした全体像が
見えなくなるかもしれない。

などと言うと
今ここで敗北宣言をするようなものだ。
私にとってまだまだ活動期間は続く。

だから、
まずは、やれる限りをつくそう。
帰国するその日が来るまで・・・

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