JICA海外協力隊の世界日記

セントルシア便り

Ozzie Note 4 サイエンスフェア

こんにちは、2024年度2次隊の尾﨑です。

今回は先日、小学生が集まって行われたサイエンスフェアについて紹介します。これは科学や算数など理系科目の研究を行い、それを発表する場です。写真のようにたくさんの子どもたちが会場に集まり、ブースを開きながらお互いの発表を見ていました。前回の記事で紹介した独立記念のイベントと同じように、複数の学校の児童が集まるため、他校と交流学習をする良い機会となっていました。この日はカウンターパートと2人で会場を回りながら審査員の仕事をしました。20以上あるブースを2日かけて見て回り、最も素晴らしい研究発表を選びます。参加校の先生方も審査員としてチェックしていて、子どもたちは少し照れたり、緊張したりしている様子でした。審査項目は研究をまとめた書類、実際に話すプレゼンの力、研究の革新性などがあり、数値化して合計を出します。チェックする側としては数が多く骨の折れる仕事でしたが、子どもたちの発想力や発表力に驚かされる場面が多く興味深く聞いていました。

上の写真は算数のブースで発表していた掛け算の仕組みを解き明かす研究です。日本で掛け算といえば九九。小学校2年生で語呂を唱えながら覚えます。ですがなんとこの子たちは1年生にも満たない5歳の2人組です。セントルシアの小学校には Kindergarten class と呼ばれる1年生よりさらに前の学年があります。そのクラスの選ばれし精鋭たちが掛け算の考え方を大人たちに熱く教えてくれます。

最初に数字が書かれたカードを2枚引いて式を決めた後に、段ボールにかかったコップにボールを必要な個数入れていきます。今回は2×2なので2つずつのボールを2つのコップに入れました。コップは半分に切ってあり子どもたちはパカっと上にあげるとボールが下のカゴに落ちる仕組みです。下に落ちたボールの数を数えればあっという間に掛け算の答えを出すことができます。これはすごい!ぜひ日本の小学生に教えてあげてほしいと感動してしまいました。そして何より自慢気に説明する2人が可愛らしく、癒されながら聞けました。他に見にきていた先輩小学生たちも感心しているようでした。

こちらは生活に密着した科学の実験。高学年の子どもたちが普段学校の購買に売っているジュースにはどのくらい砂糖が含まれているのかを検証していました。含まれる砂糖の量を調べて、実際の砂糖にするとどのくらいか袋に入れて置いてありました。小さなコカコーラのボトルに25gはなんとなく予想できましたが、フレッシュジュースと書かれている果物イラストの小さな紙パックにはそれ以上の27g、まさかの結果に聞いていた審査員の先生たちも思わず Ohhh...と唸っていました。セントルシアでも日本と同様、食生活をもとにした健康問題は課題となっており、大人たちの中には気にしている人もいます。子どもたちが健康について訴えかけることで、より先生たちにも響いていた様子でした。

まとめとして、子どもたちは日本人のボランティアが発表を聞きにきたことに対し、嬉しそうな表情や驚きの表情を並べていました。調べた内容に対して質問をすると一生懸命に答えてくれる姿が印象的で、主体的で素敵な活動だなと感じました。

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