2025/03/09 Sun
小学校 活動
Ozzie Note 5 算数教材をどう活かすか


こんにちは、2024年度2次隊の尾﨑です。
今回はセントルシアの学校にある算数教材を紹介します。日本の学校ではたくさんある授業で使われる教材。みなさんは学生時代、先生がどんな道具を使っていたか思い出せますか。セントルシアにも授業内容を理解しやすくしたり、実際に手や体を動かしたりして学ぶためのツールが数多くあります。教育省から最近、各学校へ新しく教材が届きました。しかし、多くの学校ではそれらに手をつけず、放置されているのが現状です。そもそも先生自身が学生時代にそういった道具を使ったことがなく、どのように使って教えれば良いのかイメージができません。私のカウンターパートは算数教育のエキスパート。なんとか先生たちに算数アイテムを使ってほしいですが、使い方のアイデアが欲しいということで、最近は日本の学校の様子を思い出しながら一緒に考えています。写真は私の教育事務所の一室。実際に学校に置いてある道具を並べて、常に目に入る状態にすることで、ふと思い付く考えを大事にしています。


セントルシアの算数では、分数の単元が児童の苦手ポイントの1つとして挙げられています。そんなときに分数ブロック!実際に数字だけでは比べることが難しい分数の大きさを視覚的に捉えることができます。学校訪問する際には先生方から分数の概念や計算をどのように教えると分かりやすいか度々相談されます。こちらの学校の先生方の授業を見ていると、機械的な計算の仕方を教えて問題を解けるようにさせることは得意なようです。ですが、納得や理解できず算数を投げ出してしまう子供がいることも事実。カウンターパートは、そんな子供が出ないように分数の本質や、なぜそうなるのかを理解できる授業を先生方にして欲しいと伝えてくれました。写真のような教材が効果的に使われれば、ただ黒板とノートで進める授業より格段に分かりやすくなることでしょう。
また、個人的に日本から持ってきてよかったと思うのが折り紙です。算数の授業では、数の概念や図形など様々な場面で折り紙が教材として活躍します。日本らしさもアピールできるスペシャルアイテムなので、これから協力隊に挑戦される教育隊員の方にはおすすめです。


最後の写真は、割り算の授業の導入でカラーブロックをキャンディーに見立てて等しく分けるにはどうすれば良い?と子供たちに問いかけている様子です。カウンターパートが主体となって教えています。私は道具を使う活動の様子を動画や写真に残して、少人数の授業後に担任の先生や校長先生に授業の様子や道具の効果をフィードバックします。こういった活動が積み重なって結果が出れば、先生たちも耳を傾けてくれるのではと期待しています。いくつかの学校では日本のボランティアのこういったアイデアを気にしてくれていて、学校でチャレンジすることに前向きに考えてくれていることに日々感謝です。
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