2025/03/24 Mon
小学校
Ozzie Note 7 考えること、伝えること


こんにちは、2024年度2次隊、尾﨑です。
先日、カウンターパートからの依頼があり日本の授業の仕方を見せてほしいと頼まれました。突然のことでしたが、急遽その日の授業を朝から準備することに。せっかく授業を見てもらう機会があるのならば、先生たちにぜひ伝えたいことがありました。それは授業内で自分の考えを書く、友達の考えを聞く、考えたことを話すという言語活動の大切さです。当たり前のことだと思う人も多いと思いますが、実際に1時間の限られた授業時間の中で、クラス全員がこれらのことを充実して行うことは簡単ではありません。学期内の授業数が限られているので、どうしても早足で授業を終えてしまうことは自分自身も経験しています。セントルシアの先生方は工夫した授業を実践されていますが、より友達との交流の時間が増えるといいなと授業見学をさせてもらいながら感じていました。
写真は、算数の授業で等しい大きさの分数を見つける内容です。まず発問に対して自分自身で考えたことをプリントに書き出してもらいました。書いてもらうことで、子供たちは自分の考えを整理できます。またこの後、他の友達に考えを伝えることを前提としているため、なんとかわかりやすく書き出そうとします。教員は巡回しながら困っている児童を見つけたり、他の児童が考え付かなかったアイデアを持つ児童を見つけ出したりすることが出来ます。その後グループ内で共有する時間を取ります。それぞれ考えたことを話し、自分が気づかなかったことがわかり、同じ考えを持つ友達を見つけてその後の発表時間に向けて自信を持つことが出来ます。
算数はそれまで学習したことが積み重なるので差が出やすい教科です。速く解き終わる子がいればそうでない子もいます。速く終わった子は自分ができて終わりではありません。困っている友達の様子を見てヒントを出す役割をもつことができます。限られた授業時間内で常に頭を使って考え続けてほしいのです。
細やかな机間指導を終えた後、自分の解き方や考え方を発表する時間を取りました。聞くときの体の向きや反応の有無、発表者に加えた意見や補足の仕方など、日本の学校ではさらに教えることがたくさんあります。そんなことも伝えたかったのですが、自分の語学力でスッと出てこなかったことが悔やまれるところです。ですが、授業を作っているのは子供たち自身。やはり目線が同じところに向かってさえいれば、一生懸命に一緒に考えよう、聞こうとしてくれました。私としては日本語でする授業と同じようにはいかないモヤモヤが残りましたが、担任の先生やカウンターパートはセントルシアの授業にはない気づきがたくさんあったと言ってくれました。協力隊活動は言葉の壁が付きものですが、自分の行動や態度で示せることもあるのではないかと改めて感じました。
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