2025/02/16 Sun
小学校 活動
Ozzie Note 2 教育事務所と小学校


こんにちは。2024−2 尾崎大地です。
今回は私の職場である教育事務所と働き方についてお話します。小学校教育隊員は大きく分けて、小学校現場に入って直接子どもに授業し続けるパターンと、それを管轄する組織に入って学校をサポートするパターンに分けられます。私の場合は後者になります。セントルシアの学校は8つの自治区(district) に分かれており、私の配属はグロスレイという地区を含む第1教育事務所( District 1 Education Office ) です。教育事務所は日本で言ういわゆる教育委員会、担当自治区の学校のサポートや予算の管理、学力向上に向けて動きます。8つの自治区では一斉に学力を測る試験を行うことがあり、国内1位を目指して成績を競争する関係でもあります。教育事務所の職員や学校の先生たちはそれに向けて熱を入れて指導しています。
写真は私が通勤する教育事務所の外観です。


ここから私の活動のとある1日を紹介します。
- 8:00 自宅出発
- 8:30 職場到着(徒歩)
- 9:00 小学校1校目訪問、3年生(割り算の概念)
- 10:30 4年生(時計の計算)
- 12:00 事務所に戻り昼食
- 13:30 小学校2校目訪問、3年生(お金の計算)
- 15:00 事務所へ戻り次の日の準備
- 15:30 退勤
写真は管轄地区内のある小学校に訪問した際の指導の様子です。私のカウンターパートは教育事務所に所属しながらも現場主義。学校を巡回しながら算数が苦手な子や特別な支援を要する子を担任の先生と相談し、5人程度の児童を取り出して小グループで個別授業します。そこに私もついていき、T2としてサポートしたり、ときにはメインで教えたりと子どもの様子に応じて柔軟に授業形態を変えながら毎日を過ごしています。カウンターパートと授業をする際に気をつけることは、主体的に子どもたちが考える時間を作ることです。ただ板書する授業ではなく、具体物を操作して手や体を動かしながら体験的に理解する算数の指導を心がけています。また、そんな授業のアイデアを見つけるために現地の先生たちは、AIを有効に活用しています。ちょっとした例題作りや授業例をChat GPTで調べて、すぐに実践する様子が来てすぐに驚いたことの1つです。


授業の例を紹介します。写真は現地のお金を実際に使って、バスや買い物の支払いをするときの計算を練習した授業です。セントルシアでは公共交通機関はミニバスが基本であり、小学生でも大人と同じように自分でミニバスに乗って自分でお金を払い通学する子も多くいます。お昼ご飯は購買で買って食べる子もいます。そのため大変実践的で必要不可欠な内容と言えるでしょう。ですが、セントルシアの小学生は計算が特に苦手です。小学3年生であっても足し算で指を使いながら確認する児童がたくさんいます。その計算力が課題と言えますが、現地の先生方の教え方や家庭学習の様子をしばらく見ながら対応を考えていくつもりです。
ちなみにセントルシアでは東カリブドルという通貨が流通しており、バスでは硬貨で支払うことがほとんどです。この算数の授業では支払いに必要な25セントを作るためにどんなコインの組み合わせ方があるのか様々な方法を考えるというものでした。25セント硬貨1枚で済ませるもよし、5セントを5枚集めて掛け算を使った子もいれば、10セント2枚と5セントを組み合わせて友達を驚かせる子もいました。先生は子供が考えている時間は口出しせずにじっと待っている様子で、そんな自分で思考させる授業スタイルが子供たちの力につながっているなと考えさせられました。
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