JICA海外協力隊の世界日記

セントルシア便り

KAZのつれづれ「遠き旅路」

Counterpart
軽めに訳すと片割れ・相棒
ややかしこまって訳すと、
Counterpartはカウンターパート
国際協力事業の相手国の担当行政官や技術者

例えば、日本の外務大臣のカウンターパートは
米国国務長官となる。

JICAボランティアの世界では、
ホストカントリーの受け入れ先、お世話係、協力し合うパートナーを言う。

私のカウンターパートは農業省の幹部だが、
彼は公式行事に参加する時、
セントルシア国内をドライブするノリで私を誘ってくれる。

どのような主旨のイベントなのかも
聞かないと教えてくれない。

公式行事にはお弁当と生搾りジュース、
運がいいとケーキなどのデザートも出るので、
ドライブして食事してそれはそれで良いのだが・・・

現地に到着して式典関係者に会って話をしたり、
カウンターパートと一緒だと、
式典で日本から来たゲストとして名前を紹介されることもある。

いったい何の式典なのか?
その背景は何なのか?
を知らないと恥をかくのだ。

この日は午前と午後で式典が2回、
しかも2回とも自分の名前を紹介された。
ほら、ドライブや弁当よりも勉強! 勉強!

そんな時は、現地に到着後慌てて、携帯電話のAI検索。
式典開催の主旨や経緯、背景を調べて必要な情報を入手する。

本日のイベント名は、
Irish (White ) Potato Result Demonstration Program
簡単に言うとジャガイモ関連の技術イベントの模様。

「熱帯適応型ジャガイモ栽培」の実証プロジェクト のようだ。

そして、主催者は、 Caribbean Agricultural Research and Development Institute (CARDI)
カリブ諸国の地域農業研究機関のようだ。

カリブ諸国向け農業研究や品種開発などを行っているようだ。

熱帯地域であるセントルシアではジャガイモが育たない。
ジャガイモはもともとアンデスなどの寒冷地の栽培植物。
夜間に温度が15℃~18℃に下がると、ジャガイモは光合成を一休みして、
イモに栄養を蓄える。
温度が下がらないと葉っぱばかりが育ってしまいイモが大きく育たない。

熱帯地域では病害虫とも戦わなくてはならない。

出席していた研究者に話を聞いたら、
DesireeやSupntaなどの
セントルシアの気候に合った品種を選定するとともに
気温が低下する10月に作付を行うなどの農家指導をしているとのことだった。

それでは、
なぜ、セントルシアはジャガイモの国内生産にこだわるのだろうか?

彼らの思い描く夢やありたい姿はいったい何か?

セントルシアは、ホテル、レストラン、ファストフード 、スーパーマーケットなどで
需要の高いジャガイモを大量輸入している。

輸入額が大きいのに国内生産できていないジャガイモを
国内生産するのがセントルシアのゴールなのだ。

国内生産を拡大して農家の収入を増大していくことが、
セントルシアの悲願でもあるのだ。

今日のイベントは実証試験成功のお披露目として開催されたが、
この夢を実現するには「遠き旅路」である。

技術的な目途をつけた上で
生産者である農家の問題、
流通の問題、
こういった問題をひとつづつ解決していかないと、
国産ジャガイモの夢にはたどり着かない。

なんとも息の長い地道な努力である。

自分たちJOCV JICAのボランティアは
家族や友人と離れて暮らす2年間の派遣期間を
長いと感じることがあるかも知れない。

しかし、国産ジャガイモの夢は
もっともっと遠い旅路の先にあるのかも知れない。

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