2026/06/09 Tue
外交・国際援助
KAZのつれづれ「モロッコからの贈り物」
私はJICAの派遣前教育を駒ヶ根訓練所で受けた。
語学研修で70日間以上を過ごし、
いよいよ修了を目前とした語学最終授業の日、
毎日、苦楽を共にしたクラスメート6名の間でプレゼント交換が行われる。
このプレゼント交換少し変わっているのが、
「現地の派遣生活に持っていけるもの」
「2年間の派遣生活が終了したら送り主にプレゼントを返却すること」
というルールがある。
「プレゼントを返す~????」
あり得ないルールだと思うけど・・・。
要するにプレゼントを返すという名目で
帰国後クラスメートは再会しなさい
という講師の取り計らいなのだ。
プレゼントって本当に難しい。
送る相手の人となりであったり物語を知らないと
プレゼントを選ぶことが出来ない。
ただ、高価なものを送っても、
その場では高価なものを貰ったという印象は残るが、
長く記憶されることが無いかも知れない。
セントルシアにモロッコから贈り物が届けられ、
セントルシアのデナリで感謝の式典が開催された。
さて、どんな贈り物であったのか・・・
モロッコ王国は北アフリカにある。
セントルシアは大西洋を隔ててモロッコと
意外と近い位置にあるのかも知れない。
そして、本日の式典は、
セントルシア農業省による、
モロッコ王国からの肥料寄贈に関する引渡し・配布式典だったのだ。
モロッコ政府から寄贈された化学肥料を
セントルシア農業省経由で地域の農家へ無償配布するイベントである。
外交上の贈り物には物語がある。
モロッコは世界有数のリン鉱石保有国であり、
国営系巨大肥料企業 OCP Group を通じて、
アフリカ・カリブ諸国へ肥料支援を行っている。
アフリカ・カリブ諸国に肥料寄贈するのが
モロッコの重要な外交政策になっている。
一方、セントルシアは
化学肥料価格高騰に苦しんでいる小規模農家の支援となる。
式典の片隅で出席していた自分も
ようやくこの贈り物の物語を理解することが出来た。
セントルシア農業省のカウンターパートの話では
モロッコによる肥料寄贈はなんと12年間続いているとのことであった。
送る側の事情、送られる側の事情、
良く出来た物語だと思った。
モロッコ王国からは式典にResident Ambassadorというから、
おそらくカリブ地域兼任大使の出席だと思う。
セントルシア農業省は農業大臣以下の幹部が総出席である。
挨拶は幹部だけでなく、
肥料を受け取る側の地域担当や農家も出席して挨拶を述べた。
そして、肥料のお礼として農業大臣からモロッコ大使に
セントルシアのフルーツバスケットが寄贈される。
セントルシアの側としても喜びあふれる演出であったと思う。
この国に来て様々な国際援助の形を見てきたが、
このイベントからは多くの学びがあった。
SHARE




