JICA海外協力隊の世界日記

セントルシア便り

トロピカルな農園には果樹が欠かせません。

2023年1次隊 セントルシア派遣 野菜栽培 里見洋司

セントルシアの農園には果樹が欠かせません。トロピカルな気候下には、バナナ(プランテンを含む)、ブレッドフルーツ(パンの木)など、デンプンを豊富に含み、主食食材となるものが多くあります。もちろん、糖分やミネラルを多く含み、エネルギー源や嗜好品となる果実も豊富です。このため、学校農園にも様々な果樹が栽培されています。しかし、果実が実る植物は、果樹またはバナナやパパイヤの様な多年生植物なので、ある程度育てば、丁寧な管理をしなくても自然に成長します。このため、野菜に比べて関心が薄く、栽培管理がずさんになります。その結果、雑草や蔓が覆いつくし、どこにあるのか分からなくなることも珍しくありませんでした。

この状況の改善を目指し、各学校にて生育している果樹を再確認し、職員や生徒に学校農園の重要な資源として再認識させる活動を1年前から始めました。発見・確認した果樹には、果実の写真と原産地と世界の主要産地を記したパネル(写真1)を設置しました。

私は、パネル作成を通じてあることに気づきました。セントルシアの主要果樹は、バナナ、マンゴー、グレープフルーツ、ブレッドフルーツ(パンの木:写真2)です。その中でセントルシアの位置するカリブ海地域が原産なのは、グレープフルーツのみ。他の3種類はアジア原産であり、古い時代に持ち込まれ、プランテーション農場にて広がったものと思われます。このことは、セントルシアの先生方にも新たな発見だったようです。

18種類の説明パネルを作成し、各校で設置していくと、関心を示した先生方がこの島の在来種を教えてくれました。カリビアン・アプリコットやウェストインディアン・チェリー(写真3)です。これらの在来種は保存性が悪いため、市場流通はしませんが、家庭や学校の農園では栽培されています。最近は新たな果樹を植え付けする学校も現れました。私もパッションフルーツの苗を育てて各学校に植え付けしています。

SHARE

最新記事一覧

JICA海外協力隊サイト関連コンテンツ

  • 協力隊が挑む世界の課題

    隊員の現地での活動をご紹介します

  • JICA 海外協力隊の人とシゴト

    現地の活動・帰国後のキャリアをご紹介します

  • 世界へはばたけ!マンガで知る青年海外協力隊

    マンガで隊員の活動をご紹介します

TOPへ