JICA海外協力隊の世界日記

セントルシア便り

Ozzie Note 17 Panorama Competition

こんにちは、2024年度2次隊の尾﨑です。

先日、スチールパンの全国大会に出場さえてもらえたのでそれについてお話します。大人数編成のスチールパングループで演奏を競い合う大会がカーニバルのシーズンに合わせて行われるのですが、これをセントルシアでは Panorama (パノラマ)と呼ぶそうです。私の所属するバンドは今年、77人のメンバーが出場しました。1つのオリジナル曲を合奏するのですが、いくつものパートに分かれて音を合わせます。私が担当させてもらったのはベースパートです。低い音で曲全体を支える大切なパートです。日本で想像するような1つの楽器ではなく、私が演奏したものは4つの大きなドラム缶を組み合わせてさまざまな音が出るようになっています。

4月から練習が始まり、7月の本番まで厳しい練習は続きました。最初は週2回程度の練習でしたが、だんだんと増えていき本番前は毎日練習で夕方から何時間も続きました。普段配属先のセントルシア人の働き方などを見ているとのんびりした性格の人が多いので、毎日長時間練習に励む仲間の姿を見てこの大会にかける思いが強く伝わってきました。聞いてみると、私の所属していた COURTS Babonneau Steel Orchestra は過去に3年連続優勝を2回も果たした強豪だそうです。首位防衛のためにも負けられない戦いとなりました。演奏したオリジナル曲の題名は「Run Juju Run」。昨年のパリ五輪でセントルシア初の金メダルを獲得した選手をリスペクトする曲でした。

楽譜が読めるプレーヤーは少ないため、リズムや音を口伝いで教え合い全員が完璧に覚えるまで練習しました。曲は15分程度まで伸び、1回通すだけでも汗だくになってしまいます。それでも演奏中に同じパートの仲間とアイコンタクトをして叩いたり、他パートとの音あわせをしたりと最後まで楽しむことができました。本番前、会場の首都カストリーズまでみんなで協力して楽器を運び舞台セッティングまで行います。大きく重たい楽器なのでトラックを何往復もして準備します。いざ舞台に立つと客席には大勢の観客、中には海外から聞きに来た方も多くいたようです。スタートのカウントが始まりメンバーのテンションは一気に上がり、まるで踊るように演奏は進んでいきました。

結果は準優勝。1位キープは叶いませんでした。結果が告げられたときのメンバーの悔しそうな表情が忘れられません。それだけ誇りを持って練習をしてきたのだと思います。演奏後の最後のミーティングでマネージャーとミュージックディレクターが一言ずつコメントを全体に送ってくれました。 ”私たちの演奏は今までで最高のものだった。一緒に演奏できた仲間に感謝しているし、来年は必ず優勝する”と。最後に日本人1人で参加した私にも声をかけてくれて拍手で送ってくれました。来年も参加できるなら、今年以上の演奏で優勝して帰国したいなぁと思います。演奏は以下のリンクから見ることができます。よければご覧ください。

https://youtu.be/wvwn0J2Tb3g?si=5IBWgsQdANuMGgvq

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