2026/06/23 Tue
協力隊員
隊員Gのセントルシア日記_83 〜Missing a Senior Volunteer〜

私たちJICA海外協力隊は、各年度に3つの隊次が派遣されています。私は、2024年度2次隊ですので、2023年度4次隊や2024年度1次隊などの先輩隊員がいます。そして、2024年度3次隊や2025年度1次隊の後輩隊員が続くことになります。長期派遣の任期はそれぞれ2年ですので、基本的に約4ヶ月ごとに帰国する先輩隊員を送り出し、入れ替わりで新人隊員を迎え入れることになります。(現職参加隊員の場合は、訓練所での訓練期間などを含めて任期2年ですので、帰国時期は少し早まります。)
そして、セントルシアでも、5月初旬に2023年度4次隊の先輩隊員を見送りました。年齢は私の半分ほどなのですが、よく気のつく明るい女性隊員で、特に新人時代に大変お世話になりました。「ご飯は冷凍パックにして保存」「野菜はカストリーズ・マーケットで購入」「ミニバスは20ドル紙幣くらいまでなら使用可能」「日本メディアの情報取得」「隊員仲間の居宅訪問」など、私が気づきもしないような急所を、次から次へとアドバイスしてくれました。今となっては、ごく当たり前の話なのかもしれませんが、一人暮らしの経験がなかった私にとっては、派遣当初、まるで金言のように心に刺さる言葉だったのです。

一般的には、先輩が引退するとなれば、後輩は幹部交替など、その抜けた穴を埋める責任を新たに担う必要があります。しかし、協力隊の場合は、職種が異なりますので、特に活動が引き継がれることはありません。(派遣国によっては、隊員コミュニティーの自治の仕組みがあり、役職が置かれることもあるようです。ところが、セントルシア隊員は少人数(2026年5月末現在9名)です。従って、互いに気軽に情報交換をしたり、余暇を楽しんだりする良好な関係性があります。特別に組織して役職を置く必要がないのです。)しかも、今回、セントルシアへの2025年度3次隊の新人隊員の派遣がありませんでした。すなわち、この2023年4次隊の先輩隊員の抜けた後は、誰も埋めることができず、ぽっかりと穴が空いたままの状態になっているのです。そして、この穴は、残された私たち隊員それぞれの心の中に今も留まっています。

しかし、ロスが大きいからと言って、寂しがってばかりではいられません。私は、積極的に新しいことにチャレンジして、充実感で喪失感を補うことを考えました。折下5月は、配属先のカレッジがセメスター・ブレイクを迎える時期と重なります。週3日(月・水・金)は夏季集中講座を担当するものの、少し自由な時間が増えるのです。そこで、火曜日には、昨年に引き続きBoys Training Centreで、入所中の子ども達に数学や英語を教える奉仕活動。木曜日には、同じく昨年に続いてSir Ira Simmons Secondary Schoolで、ボランティアとして遅進生徒の数学指導を行うことにしました。また、5月中の金曜日を4回利用して、Soufriere Comprehensive Secondary School にて、日本語と日本文化(習字・折り紙・唱歌)のワークショップに取り組みました。もちろん、カレッジでの集中講座の授業も、私がこれまでに教えたことのない分野の数学ですので、とても新鮮なチャレンジとなっています。ありがたいことに、子ども達も、大学生も、みな真剣な表情で、熱心に取り組んでくれますので、とても豊かな毎日を清々しく過ごすことができています。
また、余暇においても、さまざまな新しいことに挑戦しています。野外ジャズコンサートに昼から夜まで計7時間参加。ユネスコ世界自然遺産に登録されているMt. Petit Pitonサミットに2度目の登頂。Sir Arthur Lewis Community Collegeの40周年を祝う、大聖堂での記念ミサに参列など、この5月は特に精力的に取り組みました。そして、今後も、無人島を目指すオープン・スイミングや、国内最高峰のMt. Gimieサミットを目指す冒険の旅など、積極的に計画をしようと考えています。私生活が充実すれば、きっと本来のミッションにも、相乗効果をもたらしてくれることでしょうから。
先輩隊員との別れは、とても寂しく切ない気持ちになりましたが、チャンスを活かしてチャレンジし、変化(チェンジ)していくことの大切さを、あらためて教えてくれました。E先輩、2年間お疲れさまでした。そして、16ヶ月間ありがとうございました。日本でも、E先輩らしく元気に明るく活躍してね。
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