JICA海外協力隊の世界日記

セントルシア便り

隊員Gのセントルシア日記_60 〜Friendship between Taiwan & Japan〜

 1984年、セントルシアは台湾(中華民国)と正式に国交を樹立しました。セントルシア側の政権交代によって、1997年には中国(中華人民共和国)と国交を樹立することになり、一度国交は途絶えます。しかし、再度の政権交代によって、2007年には正式な外交関係が再開されることになりました。今は、互いに大使館を設置して、教育、農業、情報通信、環境保全など幅広い分野で協力関係が展開されています。そして、台湾の国際協力機関である台湾ICDFは、ボランティアやインターンをパートナー国に派遣して、現地での技術協力や人材育成に貢献しています。セントルシアにも十名前後が派遣され、現在活躍中です。お気づきの通り、私たちJICA海外協力隊も同じような取り組みを進めています。また、同じアジア人でもありますので、彼らとの交流の輪が、自然に広がっています。具体的には、海外協力隊セントルシア派遣30周年の記念式典、親睦BBQ、合気道練習会、グロ・ピトン登山など、様々な場面で共に集い、情報交換をしたり、励まし合ったりしながら、それぞれの日々の活動の活力にしてきました。

 先日は、年末・年始の活動休止期間を利用して、両国のソウルフードづくりを体験しよう、という趣向になりました。台湾側は、お正月だったこともあり「水餃子」づくり。本来ならば、彼らはルナ・ニュー・イヤー(旧正月)のときに、水餃子を作ってお祝いするとのことでしたが、今回は日本人の正月感覚に合わせてくれた形になりました。餃子の皮も手作りです。小麦粉に適量の水を加えて寝かせ、グルテンを安定させます。餡は、豚ひき肉、キャベツ、生姜、そして中華だしで味が整えられました。私も餃子の皮で餡を包む体験をしましたが、しばらく寝かせたおかげで、生地がよく伸び、切れにくくなっていました。日本のスーパーで売られている餃子の皮とは、大きく異なるものだったのです。また、「水餃子」は、日本で人気のある「焼き餃子」でも、セイロを使う「蒸し餃子」でもありません。鍋に入れる餃子を想像してもらうと近いかもしれませんが、茹で上げた後は醤油をかけていただきました。なぜかしら、懐かしい素朴な味がしました。各家庭で手作りされるのですが、少しずつレシピが異なるようです。それぞれの家族の伝統が染み込んだ味は、真のご馳走となりました。

 日本側は、私が大阪出身であることもあり「お好み焼き」と「たこ焼き」です。日本にいれば、お好み焼き粉やたこ焼き粉を使うところですが、そんな贅沢品がセントルシアで手に入るはずがありません。小麦粉に和風だし(日本から持参)を入れて、工夫しました。また、骨付き肉にステータスがあるセントルシアでは、薄切り豚肉を手に入れるのも難しいので、ベーコンで代用しました。ありがたいことに、お好み焼きソースと鰹節がギリギリ手に入りましたので、マヨネーズを混ぜ合わせて、何とかそれらしい味を実現することが出来ました。たこ焼き器は、先輩の協力隊員から譲り受けたものです。日本文化を外国人に紹介できるように、そして協力隊員が懐かしい日本の味を楽しむことができるように、とわざわざ手に入れて下さったようです。今後も、このたこ焼き器は大活躍することでしょう。大切に、そして確実に、この日本の食文化のバトンを受け継いでいきたいと思います。

 日本のソウルフードと言えば、もうひとつ「塩にぎり」があります。私は、どちらかというと、「郷に入れば、郷に従え!」という考え方ですので、これまで、うるち米(日本米)を自分のために炊くことはありませんでした。常にパサパサのカリブ米を主食としてきたのです。ところが今回、私自身が海外協力隊1周年を迎えることもあり、自らへのご褒美ということで、高価なSushi Riceを購入し、ガスコンロで炊き上げました。やはり粘り気が何とも言えません。大袈裟ではありますが、魂の記憶が1年ぶりに蘇ったかの様な感覚を覚えました。「塩にぎり」は、特に海外在住者にとってのソウルフード。様々な先輩が、これと似たような言葉を語ってこられましたが、私も例に漏れることはありませんでした。図らずも、『美味い!』と、涙が出そうになりながら「塩にぎり」を頬張ることになったのです。しょっぱさが目に染みたのかなあ。次の体験会で、必ず台湾ボランティア/インターンに紹介することにします。

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