JICA海外協力隊の世界日記

セントルシア便り

KAZのつれづれ「ど直球!? 宗教について」

JICA駒ヶ根訓練所での語学の最終試験

面接テストの試験問題は、
「日本人は神社にお参りしたり、
お寺にお参りしたり、
教会で結婚式をしたり、
いったい日本人の宗教はどうなっているの?」
という問題であったと記憶している。

正確には質問の言い方は
違っていたかも知れないが、
日本人の宗教観を聞く質問であった。

日本では宗教について話題にすることが
タブー視されているが、
海外に一歩出れば出身地や職業などと同様に
宗教はアイデンティティーを示す一部である。

会話もオープンである。

自分の宗教観をはっきり答えられることが、
道徳的にもまともな社会人と評価もされる。

JICAの語学の最終試験に
このような面接が行われるのも納得できる。

この設問の回答例としては、
日本人はキリスト教のような
一神教の宗教を信じる国民ではなく、
日本には古代ギリシャのように
神様がたくさんいるんだ。
日本は多神教の国家なんだよ。
と まずは、
一神教と多神教の違いについて説明する。

そして、 多神教の国であり国民であるからこそ、
他の人が信じる宗教を大切にすることが
出来るんだよ。

果たしてこの回答が
模範解答かどうかはわからないが
私はこう答えることにしている。

エンジニアリング部門を尋ねたときに
訪問先の責任者がまだ職場に来ておらず、
食堂で時間をつぶしていたら
研究所の人が私のお相手をしてくれた。

ある日、帰宅時に職場を出てバス停まで歩いてしたら、
その研究所の人が家の近くまで
クルマで送ってくれるという。

彼は日本人や日本という国に
関心があったのだろうな。

自分の家に着くまで
マシンガンのような質問の嵐だった。

まずは、
私の宗教について聞かれた。

宗教を持たない
という言い方をすると
大きな誤解を生むので、

「仏教を信じているが、
日本は多神教の国なので
神社にもお寺にもお参りにいくよ」
と答えた。

ちなみに一神教の国はMonotheistic countries、
多神教の国はPolytheistic countryであり、
このキーワードは忘れずに覚えていて
ほんとうに良かった。

次に聞かれたのは、
「日本とセントルシアと比べて
どちらが道徳的に優れているか?」
という質問だった。

そんなこと聞かれても、
日本人もセントルシア人も様々だし・・・

ただ彼は文化的な違いについて
強い好奇心をもっているようなので、

「日本人の方が道徳的に優れていると思う。
セントルシアに来て道路わきにゴミを捨て
いるいわゆるごみのポイ捨てを多く見かける。
日本はこのようなことは少ない。」
と答えた。

会話は正しいか間違っているか
を恐れず
どちらかの答えを求めている時は
ズバリ思っていることを答える方が良いと思う。

ごみのポイ捨て=littering
という便利な単語も
これも覚えていて良かった。

そして、次の質問は、
「親からどのような
道徳教育を受けたか?」
と聞かれたので、

「自分は母親から、
悪いことをすると
誰も見ていない
と思うかも知れないが、
『天知る、地知る、我知る』
つまり天も地面も自分自身も知っているんだよ。
と教えを受けた。」
と回答した。

やはり誰かが見ているということが、
正しい行いに導くという
基本的な考え方を述べた
道徳観なんだけど・・・

そうすると、
「お前の言う天とは神のことか?」
と聞く。

この答えは微妙だが、
「宗教観が道徳の基礎になっている」
という点で
神と言っても間違いにはならないので
「そうだ。」
と答えた。

話は、
「体罰についてどう思うか」
「日本では体罰はどのように扱われているか」
など
彼の質問は日本人の宗教観や道徳観の
本質的な問いかけが続く・・・

苦手な英語で
しかも設問が難しいので、
脳から火が噴きそうになった。

JICAの語学教育は恐るべしだなぁ~
カリブ海の小国セントルシアでも
役に立っている。

生まれてから海外で一度も生活した経験のない私は
文字通りの純ジャパであった。

ここセントルシアが
初めての海外生活である。

「日本の常識は世界の非常識」
というのも極端な言い方だと思うが、
カリブ海の小国セントルシアで
多くのことを学んだような気がする。

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