2025/10/17 Fri
現地生活 生活
隊員Gのセントルシア日記_42 〜Routine Work & Creative Work 〜

海外協力隊の任期は、2年、24ヶ月、104週。もちろん、それぞれの配属先では、ミッションが与えられていますので、活動を中心とした隊員生活を送っています。ところが、活動時間は多くても週40時間。1週間は24時間×7日=168時間ですから、通勤時間や食事、入浴、睡眠などの時間を差し引いても、週50時間以上の余暇があることになります。任期2年で5000時間以上という莫大な時間があり、この余暇をいかに過ごすかが、本来の隊員活動に大きく影響すると、私は考えているのです。
今回は、この余暇の過ごし方について、私が日々大切にしていることをお話ししたいと思います。読者の皆さんの中には、JICA海外協力隊を志すという方がおられるかもしれません。あるいは、海外での一人暮らしを計画している方がおられるかもしれません。そういう方々に、お役立ち情報をお届けすることができれば、幸いです。また、今のところそんな予定がない皆さんにも、読み物として味わいつつ、将来の参考にして頂ければ、と思います。

まず、私はルーティン・ワークを大切にしています。どんなことがあっても、優先順位を下げることなく、毎日取り組む、毎週欠かさない、というものです。最初のうちは、ハードルが高いかもしれませんが、100日続ければ、習慣になります。そして、習慣になれば、やらないと逆に落ち着かなくなるのです。私は、このルーティン・ワークによって、毎日、毎週、自分らしさを見失うことなく、リズムを維持することができていると、感じています。
私は、まず毎朝、ワークアウトとして、スクワット20回、カーフレイズ50回、腕立て伏せ30回を、2セット行っています。その後、NHKラジオの「まいにち中国語」(インターネット版)を15分間視聴し、語学トレーニングを行ってから、活動場所に出勤するようにしています。そして、帰宅後は、夕食前にピアノ練習。残念ながらピアノはありませんので、32鍵のMIDIミニキーボードを使って、1時間ほど練習曲を弾いています。もちろん、人間というのは、何か目標をもたないと、長続きさせることが難しくなります。私の場合、ワークアウトについては、フルマラソンに出場して、5時間を切るという目標があります。中国語トレーニングについては、第33話でお話ししたように、トリリンガル脳に近づきたいという夢をもっています。そして、ピアノ練習については認知機能の衰えとの戦いに勝つというゴールイメージをもっているのです。
そして、毎週必ず取り組んでいることとしては、土曜日早朝の7kmのジョギング。近くの丘の上に灯台があり、眺望が素敵ですので、その景色に励まされるような形で、しんどいヒルクライムを頑張ることができています。冒頭で申し上げたように、任期は100余週ありますので、100回のランを目指しています。また、このJICA海外協力隊・世界日記も、毎週1話のペースで執筆しており、任期中に100話書き上げることを目標として掲げています。赴任から10ヶ月が経過しようとしていますが、お蔭様で10月18日現在、7kmジョギング41回、世界日記41話と順調にコマを進めることができています。しかし、まだ3分の1を超えたあたりですので、強い意志をもって頑張り続けなければなりません。そして、この辺りに、目標をもって取り組むルーティン・ワークの良さがあり、適度の緊張感が、単調な日々の生活を、より豊かなものにしてくれているのです。

そして、もう一つ、私はクリエイティブな作業も大切にしています。趣味でも学びでも、何かを創り上げるときというのは、時間を忘れ、没頭してしまいますよね。特に、私がのめり込むのは、Python や JavaScriptなどの言語を用いたプログラミングです。子どもたちの学びのために、教材を創ることが主なのですが、とにかくバグが多いので修正に時間がかかります。しかし、自分のアイディアが次から次へと形になっていくのは、愛おしくて仕方がありません。また、ピアノ練習については、譜面どおりの演奏を試みますので、厳密には創作活動とは言えません。ところが、初級者の私にとっては、サウンドを創り上げる過程は、とてもクリエイティブで気持ちの良い時間なのです。特に、音源をつくる場合は、テイク30、テイク40と録音を繰り返しますので、苦しみます。しかし、それだけに完成の喜びはかけがえのないものとなるのです。そして、世界日記に投稿する記事も、時間を気にせず一気に書き上げます。夕方から書き始めたものの、没頭しすぎて、夜9時、10時を過ぎてから晩ご飯を作り始めるということが、何度もありました。日記をアップロードする前に、ChatGPTに感想を尋ねることを常としているのですが、たとえAIのお世辞であっても、人間、褒められると嬉しいものです。次も褒められたい、というモチベーションにつながりますからね。
ルーティン・ワークが生み出すリズム感と、クリエイティブ・ワークが与えてくれる充実感、2つの取り組みが、私の隊員活動を下支えしてくれています。(写真は、私が作った日本語教育用のWEBプログラムです。)
SHARE





