JICA海外協力隊の世界日記

セネガル便り

【JOCVセネガル45周年企画】〜帰国してから思う事、日本から見たセネガル~Part 2

Bonjour!

ナンガデフ?(お元気ですか?)

セネガルのサンルイで活動していました大城麻耶です。

先輩方が築き上げてくださったセネガルでのJICA海外協力隊45年の活動の歴史に端くれながら名前を連ねられたこと、そして活動を終えてこの世界日記に執筆させていただけることにとても感謝しています。

私は今年3月までサンルイ市内中心地にある職業訓練校の手工芸クラスに配属されていました。

はじめてのアフリカセネガルで、はじめての海外ボランティア活動スタート。

といっても、私が任地サンルイに着いた当初は、まず生活の基盤を整えるところから。先輩隊員の方にこの町でどのように生活するかを教えてもらうことから始まりました。

最初は目印が少ない街中を歩いて、なんども迷子に。自分の家に帰れない笑。スマホをかかげて周りをキョロキョロ。

すると、近所の人が「どうしたの?」と声をかけてくれます。「私の家が見つからない…」と私。「何の近く?」とご近所さん。「ふむむ、分からない(汗)」二人でひとしきり笑います。

あーだこーだと言ってるうちになんとなく家の方向が分かり、「Jërëjëf!(ありがとう!)」とお礼を言って別れます。

またある日、「ここで何してるの?」「JICAのボランティアとして働いてるんだ」と言うと「JICA、あー、知ってるよ。橋を架けてくれたよね」「名前は?」「マリエム カンジャロー(私のセネガル名)だよ」「はっ!すっかりセネガル人だね(笑)、じゃあまたね」言って別れます。

モスクの前を通りかかるとお祈りを終えた初老の男性と目が合います。「HelloHow are you?」「英語話せるんですね」「そうさ、日本人は英語の方が話せるだろ?」「今日から私は君のサンルイのお父さんだ。今度ご飯食べにおいで」

そんなふうにしてサンルイに来て数ヶ月過ぎた頃には、街の中に大切なお友達がいっぱい。

もちろん、いい人ばかりじゃない。こらーっ!って突っ込みたくなる人もいた。だけど小さな町だし、道端でカフェトゥーバを飲みながらワフタン(おしゃべり)してるからまた顔を合わせる。帰国する時には「次、いつセネガルに来るんだ?その時は連絡しろよ。」って笑

父が病気で一時帰国を余儀無くされた時は、たくさんの人が「On est ensembre(私たちは一緒だよ)、お父さんの健康を祈るね。」って優しく声をかけてくれた。

父のことで頭がいっぱいのままで職場へ向かう朝。泣きそうになって下を向いて歩いていたら、私のことを放っておけないおせっかい達に声をかけられて何度救われたことか。

セネガルってどんなところだろう?

JICAから海外協力隊ボランティアの採用通知が届いて、まず最初にしたのはインターネット検索でした。

〇〇ってどんな国?

インターネットで調べれば、地理的位置、民族、天候、宗教、人口、GNP等はすぐにわかります。だけど、本当にそれだけで遠い国に住む人たちのことが分かるでしょうか?宇宙から見れば人が決めた国境は見えない。数字で語られる国の姿は第三者的な目線で見た事実の羅列。でもなんだか分かったような気になるし、怖い国と感じたり、貧困に苦しむ国と理解したり。そこに住む人々の声は聞こえないし顔は浮かばない。

約14,000キロ、遠く離れたセネガルと日本。

人類学者が書いた本を2冊読んでセネガルに入った私が今思うセネガルは、果てしなく遠いどこにあるかもよく分からないアジアの端っこ日本からやってきた私に、いつも変わらず接してくれたセネガルの人たち。喜怒哀楽を分かち合った人々がいる国。

私の短い活動期間でセネガルの人たちのためにいったいどれだけのことができただろうと思います。いつも皆に助けられてばかり。遠いセネガルで、誰にでもできるわけではない貴重な経験をさせてもらった私が帰国してこれからできる恩返し。

それは、数字や史実だけでは語りきれない、遠い国に住む人々が私たちと同じように平和を望み、誰かを愛し家族を作って懸命に生きていることを伝えることだと思います。得体が知れない隣人は怖いと感じても、遠く離れた国の会ったことがない人たちでも彼らの人となりを知ることでほんの少し思いを寄せることができたら…分断も無理解も差別も最初は小さな誤解や偏見から始まるから。平和を望まない人はいない。そう信じて日本でできることを続けていきます。

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