JICA海外協力隊の世界日記

セネガル便り

カンクランに染まる

私は、ンブール(首都から車で約2時間)に住んでいます。

今回は、ンブールに残る伝統儀式【カンクラン】を紹介します。

ンブールでは、9月の1ヶ月間、カンクランが行われます。毎週日曜日は、朝から夕方まで、1日賑い、平日でも夜は太鼓隊が街を練り歩いていることもあります。

カンクランとはUNESCO世界無形文化遺産にも登録されているお祭りで、ガンビアとガンビアに沿うセネガルの地域に残るマンディンカ族の儀式です。

これは割礼の儀式であり、こどもたちの健康と成長を願っていると住民からは聞いています。日本でいう”なまはげ”行事をイメージすると分かりやすいかもしれません。

ンブールはガンビア沿いにはありませんが、カンクランの文化が受け継がれています。

大々的にこの儀式を続けているのは、現在隊員が派遣されている街では、ンブールだけのようです。他の隊員は儀式があることを知らない人もいます。

詳しくは、しらべてみてください。

カンクランと呼ばれる中心人物は、樹皮や植物繊維を身にまとい変装し、大きなナイフで音を鳴らし、甲高い声をあげながら、街を練り歩きます。その周りを棒を持った男たちが囲み、威勢のいい声を出しながら行列を作ります。また、太鼓と笛を演奏する隊が同行したり、時に歌を歌いながら祭りを盛り上げ、住民は一緒に踊ったり、カンクランを一目見ようと行列を追いかけたりします。

でも、カンクランに近づくことはできません。
カンクランが近づいてきた時には、家の中に逃げこんで、去っていくのを待ちます。

近くで写真を撮ることもできないので、残念ながら、本物の写真はありません。

10月。カンクランも長い夏休みも終わり、学校が始まりました。

学校の休み時間には、カンクランの歌を歌うこどもたち

カンクランごっこをしている幼稚園生。

放課後にも、あっちからもこっちからも本物そっくりに変装した”こどもカンクラン”が現れた日もありました。

逃げて。歌って踊って。みんなでご飯を食べて。

まちも、こどもたちも、そして、私もカンクランに染まった1ヶ月でした。

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