JICA海外協力隊の世界日記

ソロモン便り

国際大会での銅メダル ― ソロモン柔道の確かな一歩

2026年5月、オーストラリア・マンデュラで開催された「Mandurah Oceania Open 2026」に、ソロモン諸島代表チームのコーチとして帯同しました。

今大会では、女子63kg級のSamo George Georgina選手が見事銅メダルを獲得。IJF公認の大会ということもあり、オリンピック出場にもつながる非常に重要な大会で結果を残せたことは、ソロモン柔道にとって大きな一歩だと感じています。

彼女は2023年のPacific Gamesに続く国際大会での活躍となり、ロサンゼルス五輪に向けても確かな手応えを感じることができました。

減量とコンディション調整

今回の大会は、男子81kg級と女子63kg級でのエントリーでした。

両選手ともに約8kgの減量を経て試合に臨みましたが、やはり減量は選手にとって大きな負担になります。計量を終えた後は、とにかくリカバリーを最優先に考え、消化に良く、効率よくエネルギーを補給できる食事を準備しました。

試合当日にしっかり動ける状態を作れるかどうかは、このタイミングにかかっていると改めて感じました。

「分析して戦う」という新しい経験

今回、特に力を入れて取り組んだのが対戦相手の分析と対策です。

日本の大会のように100人規模のトーナメントとは違い、オセアニア地域ではある程度対戦相手を予測することができます。この特徴を活かさない手はないと思い、事前準備にしっかり時間をかけました。

過去の試合映像を確認するだけでなく、前日のアップや当日の動きも細かく観察しながら、選手と何度も話し合いを重ねて試合ごとのプランを立てていきました。

これまでソロモンの選手たちは、「相手に合わせた戦い方」というよりも、自分の力を出し切ることに重点を置くスタイルが中心でした。もちろんそれも大切ですが、国際大会で勝ち上がるためには戦略も欠かせません。

試合後、選手が

「今まで対策や作戦を立てて試合に臨んだことがなく、不安が大きかった。でも今回は準備ができていたことで、自信を持って戦うことができた」

と話してくれたのが、とても印象に残っています。

結果だけでなく、この「自信を持って畳に立てた経験」そのものが、大きな成長だと感じています。

見えた差と、これからの課題

一方で、優勝した選手との力の差もはっきりと感じました。

どれだけ対策を練っても、最終的に勝敗を分けるのは選手自身の土台となる力です。フィジカル、技術、試合運び――すべてにおいて、日々の積み重ねの差が出ていると実感しました。

この差を埋めるには、やはり地道なトレーニングを継続していくしかありません。


オリンピックに向けた現実と挑戦

現在はオリンピックシーズンということもあり、世界ランキングを上げていかなければ出場権の獲得は難しい状況です。

そのため、今年から来年にかけては試合数も非常に多くなります。本来であれば長い期間をかけて身体づくりや基礎強化に取り組むべきですが、現実的にはその時間を十分に確保することが難しいのが正直なところです。

それでも、限られた時間の中でできることにしっかり目を向け、

  • 一人ひとりの課題を明確にすること
  • 試合経験から学びを積み重ねること
  • 分析と戦略を継続していくこと

    を意識しながら、少しでもチーム全体の底上げにつなげていきたいと考えています。


積み重ねの先にある未来

今回の銅メダルは、選手の努力の成果であると同時に、日々の練習や取り組みが少しずつ形になってきた証でもあります。

まだまだ課題は多いですが、ソロモン柔道は確実に前に進んでいると感じています。

これからも選手たちと一緒に、一歩ずつ着実に成長しながら、より大きな舞台を目指して挑戦を続けていきます。

2025-2 ソロモン柔道連盟 柔道 和氣泰成

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