2026/06/02 Tue
活動 自然 観光
ソロモン諸島で歴史を潜る

こんにちは。私は観光局で活動しています。
ソロモン諸島と聞いて、透き通る海や南国の風景を思い描く方も多いでしょう。
透明度の高い海や豊かなサンゴ礁、多彩な海洋生物に恵まれたこの国は、ダイビングの目的地として知られています。
そして、この海を特別なものにしているのが、海底に眠る第二次世界大戦の歴史です。 首都ホニアラがあるガダルカナル島は、かつて激しい戦いの舞台となりました。島の西側にあるボネゲビーチには、戦後80年以上が経った今も、日本の輸送船「鬼怒川丸」が静かに海底に眠っています。

現在、鬼怒川丸はサンゴに覆われ、多くの魚たちの住みかとなっています。
透明度の高い海の中で、色鮮やかな魚たちの群れとともに沈船を見る光景は、とても不思議な感覚です。
週末になると、地元の人々や観光客がシュノーケリングやダイビングを楽しみに訪れます。
さらに、ボネゲビーチの近くにあるVilu屋外博物館では、その鬼怒川丸に搭載されていた大砲を見ることができます。
ほかにも、米軍の戦闘機、日本軍の大砲、零戦のプロペラなどが展示されており、実際に間近で見たり触れたりすることができます。
教科書や映像の中の出来事だった歴史が、急に身近なものとして感じられます。

ソロモン諸島にとって、戦跡や慰霊碑は大切な観光資源の一つです。
世界中から多くの人々が、戦争の歴史を学び、犠牲者を追悼するためにこの地を訪れています。
しかし、戦後80年以上が経過し、維持管理や歴史の継承は年々難しくなってきています。
私はJICA海外協力隊として観光局で活動する中で、こうした歴史的資源を次の世代へ伝えていく取り組みに、微力ながら関わる機会をいただいています。
戦争の記憶や教訓を未来へつないでいくことは、とても重要なことだと感じています。
静かな海底に眠る沈船や、各地に残る戦争遺跡は、かつてこの場所で起こった出来事を今に伝えています。
美しい海を潜り、海に眠る歴史を見つめる。そして、静かに語りかけてくる過去に耳を傾け、平和の尊さについて考える。
そのような体験ができることこそ、ソロモン諸島ならではの魅力なのかもしれません。
ソロモン諸島の海には、美しい景色だけでなく、未来へ伝えるべき物語も眠っています。
ソロモン諸島 観光局派遣 千ヶ崎 陽子
SHARE





