JICA海外協力隊の世界日記

ソロモン便り

編み物で学校から広がる世界

モーニン!2024年度3次隊(小学校教育)としてソロモン諸島で活動している西園優菜です。

Yunaの趣味は何?」

そう聞いてくれたのは、私が主に活動している小学校に隣接する高校で家庭科を教えている先生でした。
同僚の先生方はとても気さくで、放課後には子どもの頃によくしていた遊びを教えてくれたり、一緒にズンバをしたり。そんな何気ない時間が、
学校でただ一人の日本人として活動している私に「ここにいていいんだ」と思わせてくれます。


趣味を聞かれた私は、学生の頃から続けている編み物の話をしました。
すると先生は、「ぜひ生徒たちにも教えてほしい」と言ってくれました。
また、同時期に別のご縁もあり、北野建設がソロモン諸島で運営するメンダナホテルの総支配人から、「何か一緒にソロモンを盛り上げることはできないだろうか」と声をかけていただいていたのです。
さらに、学校には毎年オーストラリアから生徒たちが訪れて交流をしており、希望者はオーストラリアを訪問する機会もありますが、「行きたいけれどお金がなくて行けない」という生徒の話を聞くこともありました。

点だった出来事が、少しずつ線になっていく感覚がありました。
そして生まれたのが、「Soloopプロジェクト」です。
生徒たちが編み物を制作し、ホテルで販売する。売り上げは教育費として活用することを目的としています。オーストラリアへの渡航費を賄うには十分ではないかもしれません。それでも、“自分たちの手で作ったものが誰かの手に渡り、その経験が次の挑戦につながったら嬉しい”そんな願いを込めた小さなプロジェクトです。

とはいえ、企画を考えたときは不安もありました。本当に生徒は集まるのか、続くのか、そもそも売れるのか、先の見えないことばかりでした。自信なさげに企画書を差し出した私に、趣味について声をかけてくれた家庭科の先生や学校長、メンダナホテルの総支配人、担当のJICAボランティア調整員などの周りの皆さんは、驚くほど前向きな言葉をかけてくれました。
「いいじゃん!」
「やってみよう!」
「娘に買うね!」

その言葉に背中を押され、2月下旬にメンバー募集を開始。現在は週2回、放課後に活動しています。誰かが自分の挑戦を信じてくれることは、とても心強いものだと感じました。

難しくて途中で来なくなった生徒もいますが、新しく仲間になる生徒もいます。わからないところを教え合ったり、家で進めてきたりする姿も見られるようになりました。私は編み物を教えているというより、一緒に時間を過ごしている感覚です。

今日学校であったこと。

将来の夢。

好きな音楽。

そんなたわいもない会話をしながら、少しずつ作品が出来上がっていきます。

5月下旬には完成した作品が20個を超え、いよいよホテルでの販売が始まりました。自分たちの手で作ったものが学校の外へ出ていく瞬間に立ち会った子どもたちの表情は、今でも忘れられません。

誇らしそうで、少し照れくさそうで、本当にいい顔をしていました。

これからこの小さな活動がどんなつながりへと広がっていくのか。放課後の編み物の時間が、メンバーそれぞれにとってどんな時間になっていくのか。私自身も、その続きを楽しみに見守っていきます。

ソロモン諸島にお越しの際は、ぜひメンダナホテルまで来てお手に取ってみてください。

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