JICA海外協力隊の世界日記

ソロモン便り

Naha Clinicから大洋州へ ― 現場の取り組み、大洋州の舞台へ 2

みなさん、こんにちは。

ソロモンの首都ホニアラにあるNaha Clinicで活動しています、助産師のRieです。

今回は、私たちNaha Clinicでの取り組みを、太平洋地域の学会で発表した様子、そしてその後、についてお伝えします。

数々の困難を乗り越え、私たちはついに発表の日を迎えました。

海外の学会に参加するのも、もちろん発表するのも初めてのシェリーさん。

大きな会場には、太平洋地域のさまざまな国から集まった大勢の参加者がいます。

ソロモンの小さなクリニックから、彼女と一緒にここまでたどり着くことができた―。

その瞬間の感動は、言葉では表せないほど大きなものでした。

本番直前までシェリーさんと何度も練習を重ね、無事に発表を終えることができました。

私たちが発表したのは、ホニアラ市唯一の3次医療施設であるNRH(National Referral Hospital)で行われている「死産監査」から学んだことを、私たち自身の施設であるNaha Clinicの妊婦健診にどう生かしていくか、という取り組みです。

簡単に言うと、病院で行われた死産症例の振り返りから得られた課題をもとに、Naha Clinicでも振り返りの勉強会を行い、日々の妊婦健診の中で改善を行いました。その結果、以前よりもリスクのある妊婦さんを多く見つけることができ、適切なタイミングでNRHに紹介、搬送できた、という発表内容です。

他の発表者が行っていた国や地域を比較した研究などと比べると、私たちの取り組みは、とても小さなものだったかもしれません。

でも、私は「小さいからこそ、ここから始めることに意味がある」と思っています。一つのクリニックで始めた小さな取り組みでも、そこから少しずつ広げていくことができます。

そして今回、私たちは発表するだけではなく、太平洋地域のさまざまな国や地域から集まった医療者と交流し、それぞれの現場で行われている取り組みや考え方を直接学ぶことができました。

今回、JICAボランティアとして、一次医療施設であるNaha Clinicからシェリーさんと一緒に学会に参加できたことは、私自身にとっても大きな経験となりました。

そして、学会に「参加して終わり」にするのではなく、そこで何を学び、何をNaha Clinicに持ち帰るのか。そして、次の学会までに、学んだことをどのように日々の現場に生かしていくのか。

その橋渡しをサポートすることも、JICAボランティアとしての私の大きな役割の一つなのではないかと感じています。

今回、一次医療施設から参加したのは私たちだけで、他には保健省の職員、大学や看護学校の教員、3次医療施設のスタッフなど、さまざまな立場の医療者が参加していました。

それぞれ働く場所や立場は違っても、「学んだことを自分たちの現場にどう還元していくか」という思いは共通しています。

特に、今回の学会をきっかけに、これまで一緒に活動してきた3次医療施設のスタッフとの交流もさらに深まりました。

現在は、学会で得た学びをNaha Clinicだけにとどめず、3次医療施設のスタッフとも共有しながら、ホニアラの母子保健に少しでも還元していくための活動を始めています。

一つの小さなクリニックから始まった私たちの挑戦。

今回の学会参加が、Naha Clinicだけでなく、これからさらに多くの医療者と学びを共有し、現場を少しずつ変えていくきっかけにしていきたいと思います。


24−3 助産師 荒金里英

(写真:学会で得られたソロモンでの課題をNaha Clinicのスタッフに紹介、その内容をもとにスタッフがグループワークを実施。グループの代表者が発表を行なっているところ。*一つ前の記事で撮った写真は以前の古い施設でしたが、現在は写真のように広々とした新しい場所で活動しています。)

(写真:シェリーさんが学会で参加したワークショップの内容をNaha Clinicのスタッフにプレゼンテーションをしているところ。)

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