JICA海外協力隊の世界日記

ソロモン便り

世界一大きなウミガメ "オサガメ"を守る!!

ソロモン諸島は、自然豊かな熱帯の島国です。

日本では動物園や水族館でしか見られないような、カラフルな鳥や魚、ジュゴンやイグアナ、背の高いヤシの木、世界最大のサンゴなど、見どころは数えきれません。

私が暮らしているサンタ・イザベル島には、主に3種類のウミガメが生息しています。

・アオウミガメ(Green turtle)

・タイマイ(Hawksbill turtle)

・オサガメ(Leatherback turtle)

水族館などでもよく見かけるアオウミガメやタイマイ、そして世界最大のウミガメであるオサガメは、成長すると体長が2メートルにも達します。

私が所属しているイザベル州の環境課と、共に活動する国際NGO「The Nature Conservancy(ザ・ネイチャー・コンサーバンシー)」は、ウミガメの保護活動に取り組んでいます。

イザベル島には、オサガメの保護区が4か所と、Arnavon海洋公園という自然保護区があります。各保護区では、現地の保護レンジャーが日々活動しています。

先日、そのうちの一つであるオサガメの保護区Haevoを訪問しました。

残念ながら訪問した時期は産卵シーズンではありませんでしたが、卵と孵化した赤ちゃんオサガメの保護活動に同行させていただきました。

母ガメが産んだ約100個の卵を、レンジャー(環境保護スタッフ)たちが慎重に安全な場所へ運び、定点に埋め直して孵化を待ちます。

約2か月後、レンジャーたちは素手で丁寧に巣を掘り起こし、孵化したウミガメの赤ちゃんを探します。

カニなどの天敵に食べられてしまった卵や、うまく孵化できなかった卵も多く見つかる中、2匹の赤ちゃんオサガメに出会うことができました!

手のひらサイズでほんのり温かく、一生懸命に歩く姿に、小さな命の力強さを感じました。

彼らは大人になると、私よりも大きな子に成長します。

1匹は元気に海へ旅立ち、もう1匹は動きが鈍かったため、一時的にレンジャーハウスで保護されることになりました。


2匹とも、どうか無事に生き延びてくれますように

イザベル州ではごみ問題も深刻です。街中や自然の中にごみが散乱し、川や海へ流れ込んでいます。

環境課で主にごみ問題を担当している私は、拾ったごみを使ってモザイクアートを作り、地元の小中学校を訪問して「ウミガメがクラゲと間違えてプラスチックごみを食べてしまうことがあるんだよ」と子どもたちに伝えました。

子どもたちは楽しみながら、しっかり理解してくれた様子でした。

Haevoでは2013年から保護活動が始まり、レンジャーたちの努力により、オサガメの個体数は順調に回復しているそうです。

こうしたレンジャーたちの努力が無駄にならないように、そしてこのかけがえのない自然をみんなで協力して守っていけるよう、私も活動に取り組んでいきたいと思います。

(2024年度2次隊 環境教育 藤井ゆめの)

SHARE

最新記事一覧

JICA海外協力隊サイト関連コンテンツ

  • 協力隊が挑む世界の課題

    隊員の現地での活動をご紹介します

  • JICA 海外協力隊の人とシゴト

    現地の活動・帰国後のキャリアをご紹介します

  • 世界へはばたけ!マンガで知る青年海外協力隊

    マンガで隊員の活動をご紹介します

TOPへ