JICA海外協力隊の世界日記

ソロモン便り

美しき自然とゴミと

太平洋に浮かぶ島国ソロモンの魅力といえばやはり海です!

透き通った海で泳ぎ、自然に囲まれた場所で過ごす時間は心が洗われます。

「この穏やかな時間がずっと続けばいいのに」とすら思う程です。

しかしながら、この美しい自然はソロモン全土に広がっているわけではありません。

都市部から離れてやっと出会うことができるのです。

ソロモンに来た時のことは今も鮮明に覚えています。

排気ガスと土埃、そして路上に散らばる無数のゴミたち。

自分が想像していたソロモンとはかけ離れた環境にショックを受けました。

これは河口付近のビーチの写真です。

派遣前にネットで見ていた綺麗な海、美しいビーチは首都ホニアラにはありませんでした。

自然豊かな南の島の砂浜で、沈みゆく夕陽を眺めながら読書を、、、などと考えていた自分のイメージは夢のまま消えてしまったのです。

生活するにつれて、このような状況となる理由に見当がついてきました。

1.ゴミ収集の体制

ソロモンにゴミ収集車は数台しかなく、回収の頻度も低いです。

市街中心部から離れた場所には、そもそもゴミ収集車は来ません。

ごみを集めても結局自分たちで燃やすしかないのです。

その様な状況であれば、ポイ捨てしてしまう気持ちも分からなくはないなと思いました。

2.昔からの習慣

別の要因として、長きにわたり工業製品のない自給自足に近い生活をしてきた彼らは、捨てても問題のない自然由来のもので生活をしてきたため、ポイ捨てが習慣として残ってしまったのでは?とも考えられます。

<写真は首都ホニアラのダンプサイト>

首都のダンプサイトですら、処理設備がなく、常時ゴミが溢れかえっています。

同様の問題は大洋州諸国でも耳にします。開発途上の島国における共通の問題であるようです。

しかしながら、これらの状況は海外から多量の工業製品が輸入されるようになったことがきっかけです。

事態の一因は諸外国にもあるのだなと思い、胸が痛くなりました。

少し、ソロモンのリアルを紹介する格好となりましたが、私はソロモンの地方の暮らしがとても好きです。

経済的な裕福さは無いけれど、自然と調和した豊かな暮らしを送っているように思います。

そのため、都市部においてこのような状況を見ると、発展することが必ずしも正義ではない、ソロモンにおいては発展しない方がよかったのではないかと思う部分もあります。

現状として、ソロモンは世界各国と比較したときに、開発が必要な国です。

ただ、ソロモンの状況を見て、諸外国が開発を支援する場合、それに伴い起こりうるマイナス面の対処まで共に考えることが大切だと気づきました。

ゴミ問題、なかなか深刻ですが、清掃活動やビニール袋の廃止など、少しずつ改善の動きが見られます。

自分も助力できればと思います。

また、ソロモンの人々自身においても、この国の自然の豊かさを自覚し、守っていこうとする意識が広まることを願うばかりです。

(2024年度 1次隊 マーケティング 髙田裕也)

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