JICA海外協力隊の世界日記

ソロモン便り

ソロモン諸島の木の文化

(写真:丸木舟とソロモンの海)

南太平洋に浮かぶ島国ソロモン諸島というと、一番に青い海を想像するかもしれませんが、ソロモン諸島は豊かな森林が広がる国でもあります。ソロモン諸島の森林率(国土に占める森林の割合)は約90%と世界でもトップクラスです。

そんなソロモンでは、木と人々との生活は切っても切り離せるものではなく、漁をするためのカヌーを丸太一本から切り出して来たり、家を作るときも自分たちで木を伐り出して来たりします。

また、ソロモンの方々は木材の適材適所を理解していて、家を建てるときに使うのはこの木が良いであったり、器にするならこの木が良いであったり、建築家や家具職人といった専門家ではない方でも、生活のどの部分にどの木を使えば良いか、ということを理解して利用しています。さらに驚いたことに、これは何の木なの?と聞くと、大抵の場合通称と学名を教えてくれます。

(写真:工芸品もナイフやハンマーを使って手作業で削り出していく)

ずっと昔から自分たちの森林と、そこから得られる木材と親密な関係を築いてきたからこそなのでしょう。生活の端々に人と森林との繋がりを感じると同時に、翻って日本はどうか?と考えてしまいます。日本も森林率が67%と世界的にも森林の多い国ではありますが…。さて…。



(写真:日本の木よりも樹高が高く直径が1m以上の木が多いソロモンの森林)

そんな木と共に生きてきたソロモン諸島ですが、外国企業が地元の人たちから伐採の権利を買って、大規模な伐採をしている現状があることも忘れてはなりません。

活動先の同僚達は次の世代に豊かな森林を残すために、大規模な伐採をするのではなく、持続可能な森林利用をしなければならないという強い思いを持っています。

背景は異なりますが、「持続可能な森林利用」は日本もソロモンも同じように抱えている課題です。たとえ遠く離れた国同士であっても、互いの知識や経験を共有して課題解決に取り組んでいきたいです。2023年度1次隊 林産加工隊員)



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