2026/04/15 Wed
文化 生活
Thekhisi(タキシー)

初めまして!
南アフリカ共和国に派遣されている淺野翔です。 私は障害児・者支援の隊員として、ヨハネスブルグから北へ車で5時間ほどのリンポポ州ヴェンベ郡のラバリ村にある「ロンダナニ・ケアセンター」という、障害のある子どもから大人までが通う施設で活動しています。
今回は、私たち隊員が任地で乗る最も身近な乗り物「コンビ(Combi)」こと乗合タクシーについてお話しします。
タイトルの「Thekhisi(タキシー)」は私のいる地域の言語、ヴェンダ語の言い方です。
私の任地であるラバリには、小さなスーパーマーケットと、道沿いに小さな個人商店が数軒ほどあります。これらのお店で事足りることもありますが、足を延ばさないと買えないものが多々あり、歩くと片道1.5〜2時間ほどかかってしまいます。 そんな時に便利なのが、このタクシーです。幸い、私のいる村は比較的大きな道に接しているため、5分程度待てばタクシーが来るのでとても便利です。
ただ、「タクシー」と呼んではいますが、日本で私たちが使っているものとは随分と使い勝手が違います。



左:タクシーランク 中:近距離乗車の止め方 右:遠距離乗車の止め方
①タクシーの乗り方
大きな町には「タクシーランク」と呼ばれる発着場がありますが、私の村にはタクシーランクはありません。そうした停留所のない地域では指先で合図をして、タクシーを止めます。人差し指を下に向けたら近距離、上に向けたら遠距離。
また、タクシーランクでは、車が満員になるまで出発しません。私は今のところ、最大で1時間待ちを経験しました。
②タクシーの降り方
日本のタクシーのように「家の前まで」とはいきませんが、決まった停留所や大きなスーパーでは必ず止まります。行きは大体そこが目的地なので大丈夫です。ただ、私の住んでいる村にはスーパーなどの必ず止まる場所がないので帰りが難しかったです。最初は乗る前に「ラバリに行きたい」と伝えたり、運転席の近くに座り、降りたい場所に近づいてきたら「そこで降りたい」と言ったりしていました。
ただ、何度か乗ると、他の人が降りる数分前に、場所の名前を伝えていることに気づきました。今では後ろの席から運転手へ声をかけると、運転手さんが片手でサムズアップ(OKの合図)を返してくるようになり、だいぶ現地流の降り方ができるようになってきました。
③タクシーの料金
私の地域では、近距離でR15(約145円)遠距離でR25(約243円)で行けます。さらに高速道路を使って2時間ほど離れた街には、R90(約875円)で行く事ができます。ただ、地域によって料金は違うようですが、日本のタクシーやバスと比べても破格だと感じます。それだけ、生活になくてはならない足なんだろうと感じました。
④乗車人数
車種はトヨタのハイエースがほとんどです。日本では最大10人乗りが一般的ですが、南アのタクシーはなんと最大16人乗り。当然、車内はなかなかの密集度になります。人数が多い分、車内には熱気がこもりますが、窓を全開にして風を全身に浴びながら走るのは、爽快で心地よいものです。
そしてそんな乗合タクシーは、ただの移動手段ではなく、様々な出会いが起こる場所でもあります。
①助け合いの精神
たくさん買い物した人や大荷物の人、赤ちゃんを抱えた人は、広く場所を使える場所に座れるように譲り合ったり、ドア付近の人は開け閉めや荷物の揚げ降ろしを手伝ったりするなど。みんなで快適にするための精神を感じます。
②思いがけない再会
仕事終わりに歩いて帰ろうとした時、通りかかったタクシーが「覚えてる?乗りなよ!」と声をかけてくれました。以前一度乗っただけなのですが、運転手さんが私を覚えていてくれていて、私も彼を覚えていました。少し話していると、家の近くまで送ってくださり、「See You!」と代金を受け取らずに去って行かれました。素敵な笑顔の人だったので、また彼のタクシーに乗れることを心待ちにしています。
③現地語でのやり取り
見知らぬ人から「リマチェローニ(おはようございます)」と声をかけられることが多々あります。「リマチェローニ、アブーディ(こちらこそおはようございます)」と返すと、そこから怒涛の現地語(ヴェンダ語)の洗礼を受けることも。まだ挨拶程度しかできないので、分からない!だから、何を言っているか分かるようになりたい!と思うことが多々あります。
④動物優先の道路
私のいる村では、牛や山羊がそこらへんを歩いています。そんな動物たちも、もちろん車道にも出てきます。車道に出てきても決して急かすことなく、動物が安全に渡りきるまで、のんびり待ちます。
まだ、任地に来て2か月程度ですが、タクシーという乗り物一つでたくさんの出会いがありました。まだまだ慣れない不便さがありますが、それらを上回る人の温かさやタクシーならではの出会いがありました。これからもこうした交通事情を楽しみながら、広い南アフリカの中で、自分の知っている場所、行ける場所、タクシーならではの出会いをどんどん広げていきたいと思っています。
最後まで読んでくださり、Ro livhuwa.(ロリヴォーア:ありがとうございました。)
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