JICA海外協力隊の世界日記

タイ便り

【古都チェンマイ便り】〜#5  研修開催〜

◾️職種:食品加工
◾️配属先:チェンマイ畜産物研究開発センター
◾️名前:池﨑篤史

私は派遣当初から派遣期間中に研修を企画・実施することを、配属先から強く期待されており、メインの活動の1つとして取り組んできました。そして先日その研修の開催が実現しました。

配属先は農家や小規模食品生産者の事業向けに研修を通して学ぶ機会を提供したり、彼らの相談先として直接支援をしたりする役割も持っています。
元々、畜産原料の基礎知識や加工方法、販売、関連機関への許可等に関する毎年開催の研修コースが5コースありました。そこに1つ追加する形でコースを作ることがミッションでした。
テーマは「日本から学ぶ乳製品加工及び製品の価値向上と日本文化の推進」と、配属先と共に決め、企画しました。

研修は2日間の日程で、講義と実習の形式で行われました。参加者は酪農家や乳製品生産者及び関連職種の関係者を対象に全国から募集しました。

当日、酪農家や乳製品の生産者、大学の教授等、約30名の方々に参加頂きました。
さらに、今回は日本とタイの協力で開催される研修であることから、在チェンマイ日本国総領事館総領事、JICAタイ事務所所長、タイ畜産局副局長、タイ国際協力局(TICA)にも開会式へご来臨頂きました。

初日は講義とアイスクリームの製造を行いました。研修テーマが「日本文化の推進」なので、抹茶、ほうじ茶、小豆、焼き芋、梅ヨーグルト味のアイスクリームを製造しました。

2日目はアイスクリームの製造の続きと、以前から開発を続けてきたブラウンチーズの製造も行いました。チーズ製造工程の副産物である乳清を使った既存の乳製品とは違った指向のものを体感してもらうことで、乳製品の新たな選択肢と価値を提案することができました。

2日間のプログラムの中で日本の酪農や日本の食物を無駄にしない姿勢を知ってもらうことができたとともに、参加者間においても多くの異なる立場の方々がそれぞれの立場で意見を交換し課題意識や解決方法を共有する良い機会となりました。

タイにとって日本は文化や技術等、様々な面でとても親しみのある国です。参加者の中には日本で流行っている食べ物や北海道の牛乳が特別な理由、日本が好きで日本語に関心がある方もいらっしゃいました。
本研修の目的は日本の技術や知識、食文化を伝えることでしたが、それ以外にも日本のあらゆることに興味を持ってもらえて日本人としてとてもうれしく思いました。
また、こうした同じ業界の異なる立場の方達が会する場も貴重だと思います。この研修が定例開催になりタイの農業の発展に役立つことを願っています。

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