JICA海外協力隊の世界日記

タイ便り

【特別編】タイ保健省のLifestyle Medicine(LM)を紹介!

職種:高齢者介護
配属先: 第7ヘルスプロモーションセンター
名前:小池ひづる 

はじめまして!私はタイの東北部コーンケン県にあります、第7ヘルスプロモーションセンターで、高齢者介護に関する活動をしています。
自分も既に高齢者ですので、地域の高齢者クラブに入れていただき皆さんと楽しんでいます。
伝統的なタイ舞踊を練習して、一緒に踊らせてもらいました!

タイは急速に高齢化が進んでいますが、タイの保健省は健康増進対策に力を入れることによって、要介護状態にならない高齢者を目指すことを主策としています。それがLifestyle Medicine(LM)というプロジェクトです。このLMプロジェクトは2年前に内容が刷新され、6つの主要な柱があるのですが、その幾つかは、なんと日本の“茶文化”がベースになっているのです!

コロナ禍、タイでは生活習慣病患者の死亡率が高かったことから、健康志向が高い日本食や抹茶が大流行しています。日本の文化が高く評価されることは、改めてその素晴らしさを実感します。

タイ全国にはヘルスプロモーションセンターが13施設あり、それぞれLMプロジェクトを拡大するために工夫を凝らしたイベントを開催しています。今日はプロジェクトと茶道との結びつきを紹介したいと思います。

▶ “Lifestyle Medicine(LM)” の6つの柱
①健康的な栄養 ②身体活動 ③ストレス管理 
④質の良い良眠 ⑤有害物質の回避 ⑥良好な社会的つながり

▶ “茶文化”との結びつき
1. 栄養と健康効果
緑茶にはカテキンなどの抗酸化物質が多く含まれており、高齢者が継続的に適度に摂取することで、認知症、高血圧、肥満などの加齢に伴う疾患の予防になる。

2. マインドフルネスとストレス軽減
落ち着いた環境で茶を点てて味わう行為は一種の瞑想にもなり、ストレス管理に繋がる。高齢者にとってマインドフルな実践は不安の軽減やリラクゼーション、情緒の安定に寄与する。

3. 社会的つながり
高齢者にとって社会的つながりは孤独感や抑うつを防ぐために非常に重要。グループでの茶会は人間関係を強化し、帰属意識を生み、生活の質を向上させることができる。

4. 身体的・認知的エンゲージメント
茶を準備する過程は、細かい運動機能や集中力を必要とする。これらは高齢者にとって無理のない身体活動を促し、同時に認知機能を刺激する効果がある。

5. 文化的・精神的価値
茶道は文化的継承、美意識、精神的な内省を象徴する。高齢者ケアでは、文化的アイデンティティを維持し、意味のある儀式に参加することが、尊厳、目的意識、心理的レジリエンスを支える助けとなる。

SHARE

最新記事一覧

JICA海外協力隊サイト関連コンテンツ

  • 協力隊が挑む世界の課題

    隊員の現地での活動をご紹介します

  • JICA 海外協力隊の人とシゴト

    現地の活動・帰国後のキャリアをご紹介します

  • 世界へはばたけ!マンガで知る青年海外協力隊

    マンガで隊員の活動をご紹介します

TOPへ