2025/10/06 Mon
文化 活動 高等教育
【特別編】~タイの学校教育、日本とのつながり~


■職種: コンピュータ技術
■配属先: Princess Chulabhorn Science High School(ルーイ校)
■名前: 角 拓磨
皆様は中高生の頃、どのような教科を学ばれていましたでしょうか。
例えば中学校では、
「国語、数学、外国語、理科、社会、美術、音楽、保健体育、技術/家庭、道徳」
などを学ばれていたと思います。
一方、タイにも学習指導要領のような教育課程の基準を示すものがあり、そこでは、
「国語、数学、外国語、理科、社会/宗教、芸術、保健体育、テクノロジー」
がタイにおける、学校教育の目的・目標を達成するための教科として示されています。
さらに、これらの教科が小学校/中学校/高校まで一貫して指導されていることも特徴です。
また、複数領域の博士(理学)であるChulabhorn王女より校名を賜った私の配属先(中高一貫校)では、
テクノロジー科にて下記科目を開講しています。
- (中学1年)数値計算とテクノロジー(1)
- (中学1年)コンピュータの世界
- (中学2年)課題解決のためのテクノロジー
- (中学2年)プログラミング基礎
- (中学2年)ロボットの仕組み
- (中学3年)数値計算とテクノロジー(2)
- (高校1年)コンピュータサイエンス
- (高校1年)エンジニアリングの基礎
- (高校1年)プログラミング応用
- (高校2年)デジタルコンテンツとメディア
- (高校2年)データベースの仕組み
- (高校2年)データ分析入門
- (高校2年)人工知能入門
私は高校2年生の科目のみ担当させていただいておりますが、教科/科目を俯瞰すると、
タイという国はICT関連の知識/技能といった情報活用能力の育成を重視し、既に小中高を通じた育成体系が確立されてきているように感じます。
逆に、外食文化などを強く感じるタイでは家庭科関連の考え方が日本と異なるようにも感じられます。
次に、日本とのつながりについて紹介いたします。


私の配属先は、日本の文部科学省が指定するSSH(スーパーサイエンスハイスクール)の一部、および、国立高等専門学校機構に属する高等専門学校(“高専”)の一部と学術交流協定(MOU)を締結しております。
例えば、国立高等専門学校機構は下記リンク内の国地域/機関と協定締結しております。
【KOSEN(国立高等専門学校機構)】包括的学術交流 提携校
学術交流の例としては、日タイの交流イベントが毎年開催されております。
例えば昨年(2024年)はタイ全国に18校の姉妹校を持つ配属先グループと、日本のSSH(14校)、高専(11校)が参加するICT関連の総合イベントがありました。
以下はイベントの開会式で使われた動画です。
私も「ハッカソン(ゲームプログラミング大会)」のチームを指導する形で参加させていただきました。
また、大規模な交流イベント以外にも、私の配属先は熊本高等専門学校(“熊本高専”)と学術交流協定に基づき個別交流を行っています。


先日、熊本高専(八代キャンパス)から約20名の学生/教員の皆様が配属先へ1週間お越しくださりました。
1週間の間、日本の学生1人にタイ人生徒1人がバディとしてつき、常に学校生活を共にします。彼らの共通言語は英語です。お互いが自分なりの英語表現でコミュニケーションをとる体験は、学生・生徒の皆様にとって貴重なご経験となったのではないでしょうか。
また1週間の中で、学術交流として日本/タイそれぞれの先生方が授業を行う企画もありました。日タイの学生・生徒たちは英語ベースで化学/生物/数学/テクノロジーについて学び、また物理/地学に関するアクティビティも行いました。その他にも、現地の博物館や飼育施設にてタイの歴史/暮らしを学び、最後に文化交換としてパーティーを行いました。
日本の学生は「ソーラン節」を披露し、タイの生徒も伝統舞踊である「フォーン」や「マノーラー」を披露しました。私もタイ側に交じって配属先ルーイ県特有の「ピーターコーン」を披露させていただきました。
熊本高専の皆様は既に帰国されてしまいましたが、日タイの学生・生徒たちは今でもつながっていると聞きます。彼ら彼女らの関係が今後も続き、将来は日本とタイをつなぐ存在となることを願いたいです。
P.S.
熊本高専様のHPでも、今回の訪問が紹介されました。
【熊本高等専門学校】イベント・近況報告
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