JICA海外協力隊の世界日記

チュニジア便り

【天色日記】ひとの優しさプライスレス

世界の車窓から ー チュニジア編 ー

私たちJICA海外協力隊員の長距離移動は、主に列車かバスです。列車は運賃が安価で良いのですが、遅延や運休が結構な頻度であります。『 世界の車窓から。今日から北アフリカ、チュニジアの旅が、始まり、ませんでした 』(※ 脳内で石丸謙二郎さんのナレーションでお楽しみください。)と自分を慰めてみたりしますが、ここで時刻表はあってないようなものだと腹をくくり、あまり運休のない早朝の始発列車に最近は乗るようにしています。

~ 今日は、スファックス駅からチュニス行きの列車に乗車します ~

友人隊員の日本イベントに参加するため、チュニジア第二の都市スファックスを訪れた帰りのこと。首都チュニスとスファックスは列車でだいたい5時間なのですが、帰るときの列車は遅れに遅れ、やっと動き出したら不調で止まり…結局10時間ほどかかりました。

乗客も多くて座れなかったのですが、出発から5時間ほど経ったとき、あるご家族が一席を私に譲ってくださって 有難く一休み。隣のお母さんが、うちわみたいなのであおいでくれて 汗で湿った髪の毛をよけてくれたり労わられ、嬉しく少し気恥ずかしく…

ご家族に心からお礼を言って下車を見送ったあと、ついに列車が動かなくなってしまい、別の列車に乗り換えるためレールの上を歩きました。胸の内でスタンドバイミーをリフレインしつつ周りを見たら、杖をついた老人を駅員さんが背負おうとして、ご老人はしかめ面で背負われるのを嫌がっていて…そんなやり取りを見ていたら不平不満も出ては来ず。体はぐったりしていましたが、ふしぎと心は軽く家路につきました。

不便や不自由が日常茶飯事だから、助け合いや親切が特別のものでなく ごくあたりまえにあるのかもしれない。と、ここの暮らしで思います。読んでくださってありがとうございます。

Besleema , nHaarek ziin (ベスレーマ、ンハーレックジーン) 

           またお会いしましょう。あなたの一日が素晴らしいものでありますように

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