JICA海外協力隊の世界日記

ウズベキスタン便り

The Making of うえをむいてあるこう


執筆:小野田勝洋(2023年度3次隊/日本語教育)


「молодец!молодец!молодец!」

号砲のような喝采を浴びています。

生徒たちは、クラスメイトと準備して、練習して、そして今ステージで喝采を浴びています。

5月2日、中等専門学校ユヌサバードリセーでは、春の歌まつりが開催されました。

日本の学校のような運動会や文化祭がないウズベキスタン。

チームワーク醸成のため、そして、クラスで一つのものを作り上げる楽しさを味わってほしくて、生徒たちと一緒にステージに上がりました。


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ここ、ユヌサバードリセーでは、400人ほどの生徒が、日本語・韓国語・ペルシア語などから一つを選択し、集中的に勉強しています。

そして歌まつりでは、日々の学習成果を歌というかたちで披露します。

各言語のクラスから、1人は出場する決まりとなっている歌まつり。

日本語チームはグループで出場することになりました。

正直、私は学生時代、合唱コンクールが好きじゃありませんでした。

「男子、ちゃんと歌ってよ~。」と言われるタイプの男の子でした。

そんな私が、グループで歌わないかと呼び掛けているのだから不思議なものです。


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ユヌサバードリセー。400人ほどの生徒がここで勉強しています。

4月中旬。

さて、歌まつりの本番まで半月しかありません。

これから練習と準備がはじまります。

最初はノリノリだった生徒たちも、時間が経つにつれて「本当にやるの?」「恥ずかしい」などの声が出るようになります。

気持ちはわかります。私も中学の合唱コンクールは、かったるかったです。

「気持ちわかる~」と「いっしょにやろうぜ~」を抱き合わせながら、準備を進めます。

選んだ曲は、坂本九『上を向いて歩こう』とウズベク民謡『Yallma Yorim』の日本語版でした。

今回工夫したのは、『上を向いて歩こう』の歌詞フリップづくり。

見ている人も意味がわかるように、翻訳付きの歌詞フリップづくりに取り組みました。

「くだらね~」「めんどくさ~」とか言われないかな、と内心びくつきながら。

最初は、微妙な反応でした。先生に言われたからやる、みたいな。

けれど、本番が近づくにつれて、やらされていたことが、自らやるように変わってきた気がします。

昼休みにつくったり、放課後につくったり。

文化祭みたいじゃないですか?


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停電中。スマホのライトを頼りに作業をすすめます。

5月4日。歌まつり本番です。

三々五々と教室に集まる生徒たち。

日本のはっぴを着て始まるのは、なぜかカンフーごっこ。そして、歌の練習。

と思ったら、誰がどの順番で歌詞フリップを上げるのかと打ち合わせが始まりました。

些細なことかもしれませんが、生徒自身で作る雰囲気に嬉しくなります。

そして12時30分。日本語チームの出番です。

ウクレレの伴奏。明るい声。

「うえをむーいて、あーるこーう・・・」

歌に合わせてみんなが手拍子を打ってくれます。

生徒たちは笑いながら歌っています。

大喝采に包まれて、日本語チームの歌がおわりました。


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「練習しよう!」

歌まつりは来年もあるでしょう。

来年もチームで、今度は最初から生徒主体でやれたらいいなと思います。

p.s. 歌まつりのキックオフ授業の様子が、Youtubeに上がっています。ぜひ見てみてください。



以上



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