JICA海外協力隊の世界日記

バヌアツ便り

OFCプロリーグについて②(#16 高橋利幸/職種:編集)

前々回に続き、OFCプロリーグについて書きますね。すでに発表されている公式情報だけでは面白くないので、今回は現場で見聞きした生の声もたっぷりお届けします。幸い、私の職場であるバヌアツフットボール連盟の会長がOFC会長を兼ねているので、日頃から多くの話を聞くことができるんです。

20251029日、オークランドのエデン・パークで、OFCプロリーグが正式に発足しました。会場には参加8クラブの監督とチームマネージャーが集まり、クラブごとに紹介されました。参加クラブは以下のとおり。

Auckland FC(ニュージーランド)、Bula FC(フィジー)、PNG Hekari FC(パプアニューギニア)、Solomon Kings(ソロモン諸島)、South Island United FC(ニュージーランド)、South Melbourne FC(オーストラリア)、Tahiti United FC(タヒチ)、Vanuatu United FC(バヌアツ)

ちなみに、他のウェブサイトの記事を見ていると、クラブ名が微妙に違うことがよくあります。これは、申請時の仮名称が使われているためです。例えば、バヌアツは現在「Vanuatu United FC」ですが、申請時は「Vanuatu FC」でした。提出書類の山に追われる中、「とりあえず名前を入れて」というか、まあそんな感じです。

私自身も、申請締切の直前に「あなたをメディアオフィサーで申請するから、大学の卒業証明書をすぐに提出して」と言われ、大変でした。その後、別の人に変わってもらったのですが、かなり綱渡りでした。ちなみに、開幕日も当初予定していた2026110日から、1週間後ろ倒しの117日になりました。準備はかなり追い込まれていたようです。試合運営に関わる立場として、その苦労がよくわかります。

運営についてもう少し書くと、FIFAはこのプロリーグを、少なくとも4年間継続する方針を決めています。さらに、ハワイのクラブ参加も諦めておらず、今も働きかけを続けています。資金面については、さまざまなサイトで「サウジアラビアからの援助」と書かれていますが、正確には、サウジアラビアがFIFAに投資した資金を、FIFAが再配分したものと言えるかもしれません。

この写真は、OFCメディア長との打合せの様子。現在、OFCのグループチャットでは、全8クラブのメディア担当者向けに、次々と情報が送られてきます。ただ、細かな確認は、こうして個別にやり取りをしています。この日は「試合で私がピッチに立って写真撮影をしてよいか」を確認しました。結果は「写真は大丈夫、ただし、FIFA+で放送されるので、動画は不可」とのこと。「着替えルームは?」「うーん、OK」。現場ならではのやり取りです。

そして、トップページの先頭カットは、12月13日にホテルで行われたVanuatu United FC発足式の、会場案内用入口ボードです。関係者を招き、ついにキックオフセレモニーが開催されました。担当大臣やステークホルダー、そして国民に初めてチームを披露した瞬間でもあります。

この日、外国人6名を含む23名の選手が発表されました。選手同士も初めて顔を合わせ、全員がチームのロゴ入りシャツを着て勢ぞろい!会場には、期待と興奮が入り混じった雰囲気が広がっていました。ちなみに、外国人選手はOFC域内から3名、それ以外から3名が認められています。

内緒話をすると、その直前の1週間で一気に10名の選手契約が決まりました。写真は、ナショナルチームで背番号10番の人気選手が、契約書にサインをした直後の様子。彼の加入は新聞でも大きく取り上げられ、私も名誉ある立会人となりました。

このように、OFCプロリーグは始まったばかりで、これからどんどん発展していきます。試行錯誤しながら迎える、オープニング。前回の記事では発表前だったためお伝えできませんでしたが、一番書きたかったのは、記念すべき開幕戦第一試合を、Vanuatu United FCが任されることになったということです。なんと、オセアニア初のプロリーグの開幕戦!名誉なことです、本当にうれしいです。

最後に、発足式での選手発表の動画を公開します。なかなか見応えのある演出でしょう。いよいよ本番は2026117日。注目の開幕戦を、日本からぜひ見守ってくださいね。FIFA+で私も探してみてください!(笑)

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