JICA海外協力隊の世界日記

バヌアツ便り

バヌアツ便り~ゴミ分別・リサイクルに向けた取り組み~   【前編】ゴミ問題の現在地とこれからの取組み

※ゴミ最終処分場(埋立地)

2023年度3次隊(20242月~)環境教育でバヌアツに派遣されている小澤雅志(オザワ マサシ)です。JICA海外協力隊に参加する前は、再生可能エネルギー系電力会社の法人営業担当をしていました。

私の配属先はシェファ州政府事務所(日本でいう「都庁・県庁」で働いております。)で州内の環境・廃棄物管理の担当をしております。ゴミ分別推進とリサイクル導入をすることも活動内容の一部です。

2回シリーズでお送りする予定で、前編は「ゴミ問題の現状と今後の取り組み」についてお伝えします。



バヌアツ共和国に限らず大洋州の島国は観光業等による発展が続いています。しかしながらその発展の早さに環境対策が追いついていない現状があります。バヌアツの首都ポートビラがあるエファテ島では2008年に最終処分場が作られ、2015年にJICA技術協力プロジェクト「J-PRISM*1」の支援によって拡張されました。しかしながら、2025年現在、その容量を越しており、現在はゴミが山積みされているため。ゴミ分別とリサイクルによって、最終処分場へ流入する廃棄物を抑制することが最優先課題です。

※ゴミが山積みされている(2025年5月).jpg

※ゴミが山積みされている(20255月)

首都ポートビラではNGOや企業によって資源ゴミ回収プログラムが行われており、特定のアルミ缶や瓶回収が行われています。しかしながらシェファ州政府事務所が管轄している地方(特に人口が少ない地域)までにはそのプログラムが行き届いていない現状があります。

そこで州政府では、地方でもゴミ分別定着とリサイクル導入を行うため「リサイクルハブ」(≒ゴミ分別ステーション)を新設し、ゴミ分別とリサイクルを導入する取り組みを行う予定です。

リサイクルハブは3か所新設する予定であり、そのうちのPango(首都ポートビラの南側に位置する郊外)のリサイクルハブが建設中です。(20259月時点)最初はアルミ缶を中心に集め、近い将来はペットボトルや瓶、電子ゴミも回収することができればと考えています。

※完成イメージ図:ポートビラ市内にあるリサイクルハブの写真(2024年7月).jpg

※完成イメージ図:ポートビラ市内にあるリサイクルハブの写真(20247月)

これら資源ゴミは回収後、バヌアツ国内のリサイクル会社に販売され、当企業で中間処理が実施されます。最終的には第三国(豪州等)に輸出され、新たな素材や商品に生まれ変わります。

次回(後編)は、ゴミ分別習慣化を推進するための「啓発活動」を行いましたので、その様子をお伝えします。

文献(J-PRISM)

*1 https://www.jica.go.jp/overseas/vanuatu/information/topics/2022/20220523_02.html

 

小澤 雅志(2023年度3次隊 /環境教育)

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