2025/07/28 Mon
文化 生活
アラカン隊員のバヌアツを行く~パンゴ村での日々~(#3 野田順子/職種:小学校教育)


God Fanwi !(「こんにちは!」という意味のバヌアツパンゴ村の方言)
バヌアツに来て、半年目に入り、こちらでの生活にもすっかり慣れてきました。私が住んでいるパンゴ村は、首都ポートビラから車で20分ほどの所に位置しますが、自然に囲まれ、穏やかでのんびりした時間が流れる村です。朝は鳥の声で目が覚め、夜は波の音と虫の声に包まれて眠りに就きます。村の人々から親切にしてもらっていて、登校時や下校時に歩いていると、みんなが笑顔で声をかけてくれます。“協力隊あるある”だと思いますが、私は村ではちょっとした有名人です。だからこそ、「ジュンコ、昨日、〇〇に居ただろう?」と私の行動は皆さんに筒抜けです(笑)
バヌアツは、協力隊の派遣国の中で生活環境は整っている方だと思いますが、パンゴ村の人々の暮らしは、便利とは言えない面も多々あります。焚き火でご飯を作っていたり、飲み水は雨水だったりします。お店は限られており、必要な食材や日用品は週末にポートビラまで出かけて調達します。その代わり、道端で村のmama達(既婚の女性をこう呼びます)が、アイランドカカエと呼ばれる地元の食べ物や窯で焼いたパン、採れたてのバナナなどを売っており、活動帰りに買うこともあります。近所の人達が集い、井戸端会議をしている姿は、昔の日本を想起させます。近所の人に、ポポ(パパイヤ)やパッションフルーツ、アイランドキャベツなどをいただいたり、学校でも先生達から色々な食べ物をいただいたりするので、私の食生活はとっても豊かです。本当にありがたいことです。
パンゴ村には教会がいくつもあり、日曜日(宗派によっては土曜日)には教会で礼拝があり、村のあちこちから美しい讃美歌が聞こえてきます。バヌアツに歌が上手な人が多いのは、小さい時から教会で歌っているからかもしれません。女性はアイランドドレス、男性はアイランドシャツと教会にはみんな正装して行きます。普段は思い切り遊んでどろんこだらけの制服を着ている子達も、教会に通う時は正装をしていて、その姿はとても可愛らしいです。私も何度か教会に行きましたが、牧師さんのパワフルな演説とお祈りは、日本のカトリックの家庭で育った私にはとても新鮮でした。教会は村の人たちの拠り所となっており、何か困ったことがあるとみんなで話し合い、祈り合い、助け合っています。また、チャリティーとしてみんなで作った食べ物やアイランドドレスやシャツを売って、教会を運営しています。私もアイランドドレス作りに参加し、お手伝いをさせていただきました。
パンゴ村での暮らしは、人との繋がりがその中心にあることを実感しています。ほとんどの人が親戚同士ではないかと言うくらい(実際そうらしいです)、その繋がりはとても濃いです。先日、衰弱して今にも死にそうな子犬を学校内で保護し、家に連れて帰ったのですが、道すがらみんなが心配そうに声をかけてくれました。動物保護団体を通じて里親が見つかり、それを伝えるとみんな大喜びしてくれました。―困っていると誰かが必ず声をかけてくれる。嬉しいことがあったら、一緒に喜んでくれる。―そうした日々の中で、核家庭の新興住宅地で育った私は、自分の心がどんどんほぐれていくのを感じています。そして、「大切なことって、実はとてもシンプルなんだ!」と日々、教えられています。この村の人々の温かさに支えられながら、一日一日を大切に過ごし、活動を頑張りたいと改めて思います。
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