JICA海外協力隊の世界日記

ベトナム便り

Ep3 | コンクオン日記 〜観光と暮らしの記録〜 「地中で熟成させる不思議なお酒」

みなさん、こんにちは!ベトナム・ゲアン省コンクオンにてコミュニティ開発(観光開発)をしている鵜木です。

コンクオンに来てからというもの、よくRượu men lá(ズオウメンラー)というお酒を飲むようになりました。というのは、コンクオンの人々がこのお酒をこよなく愛しているからです。お酒の席では、ビールかRượu men láか、といった具合です。

そんなRượu men láですが、「一体どうやって作られているのか?」と気になり、先日、その工芸村を訪問しました。実際に見てみると、想像以上に奥深い製法で驚いたので、今回ご紹介します!

まず、酒蔵を訪問した時に最初に目についたのがこちら↓

壺が地面に埋まっている、、、?

Rượu men láは、少数民族のタイ族(Thai)の伝統的な「葉酵母」を使ったお酒ですが、地中で熟成させるのはコンクオンなどゲアン省西部の一部地域だけなのだそうです。

もう一つの特徴は、「葉酵母」を使用した発酵酒であること。葉酵母とは、森の天然薬草に付着した酵母を利用したもの。各家庭や地域によって使う薬草の種類が異なるため、作る人ごとに味が違うのだとか。いつも何気に飲んでいたRượu men láでしたが、実はなかなか奥深いお酒でした、、、!

作り方も教えてもらいました。

①酵母づくり
米粉と約20種類の天然薬草を混ぜ、酵母たっぷりの団子を作ります。これを約10日間乾燥。

②もち米を蒸す
蒸したもち米に団子を混ぜます。

③発酵
約20日間発酵させます。写真は20日間の発酵を得たもち米の様子。

④蒸留
発酵したお酒を専用の機械で蒸留(この工房ではヨーロッパ製の機械を使用)。

⑤熟成
蒸留したお酒を壺に入れ、1か月以上熟成。この工程でまろやかな味わいに。

⑥Rượu men lá完成

酵母の団子を作るのもとてもユニークですよね。

完成したRượu men láの度数は大体30度です。日本人にしてみればかなり強めのお酒ですが、ベトナム人的には普通とのこと。これをショットにいれてグイっと飲み干します。日本の焼酎のように水や氷で割ったりしないんですよね。

私も最初はあまりの度数の強さに四苦八苦しながら飲んでましたが、今はもう、「Rượu men lá」の名前を聞くだけで脳汁が溢れます。No Rượu men lá, No Party!といった感じでしょうか。

ハノイでもRượu men láは一部売られているようです。みなさんもRượu men láを見かけたら飲んでみてください!

ではまた!

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