JICA海外協力隊の世界日記

ザンビア便り

海外OJT中JICA職員が見た!ザンビア隊員の活躍 #1

こんにちは!ザンビアで海外OJT中の藤戸と小川です。9月にザンビアに到着しました。3カ月のOJT期間中に訪問したJICA海外協力隊員の活躍をシリーズで紹介します!

ザンビア大学動物病院で獣医師として活躍する平田隊員

朝から入院中の動物たちの面倒を見て、診療時間が始まると次から次へとやってくる動物たちに対し、手際よく処置を施しながらも愛をもって接する平田隊員。日本で獣医師として働いていた経験を活かし、日々の診療を行いながら、物品の整理や手術中の記録などの基礎的な臨床現場の改善から、エリザベスカラーの導入、麻酔のやり方などの技術的な指導まで、幅広い貢献を行っていました。

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また、入院中の動物たちのQOL改善にも力を入れ、それまでおざなりになっていた散歩やエサやりなどをしっかりやるように指導していることも教えてくれました。使った医薬品を元の場所に戻すなど、日本では当たり前にやられていることがなかなか定着せず苦労した部分もありましたが、辛抱強く指摘するうちに徐々に改善されてきたといいます。帰国する前に、せっかく教えたことが忘れられないように現場に定着させるため、ポスター作成などの活動も予定しているそうです。忙しそうに動き回りながらも動物たちのことを考え、現場の改善に向けて尽力する姿が印象的で、もうすぐ帰国するという彼女がいなくなったら病院が回らなくなってしまうのではないかと心配になるほど、現地で必要とされていることが伝わってきました。

他の獣医師やスタッフからも信頼され、お互いに協力しながら診療にあたる姿を見て、平田隊員の明るい人柄と、動物たちへの思いが伝わって、このような良い人間関係を築けているのではないかと感じました。残り少ない任期ですが、やりたいと仰っていたことをすべてやり切ってから帰国できるよう願っています。

岸隊員の活躍に密着!

ルサカのコンパウンド(未計画居住地)のCornerstone of Hopeというコミュニティスクールで活躍されている、岸隊員。小学校一年生の担任としてご指導されています。このコミュニティスクールには、片親家庭やHIV等により親を亡くした孤児などの貧困家庭の児童が在学しており、子どもたちがストリートチルドレンとならないよう学習環境の提供が行われています。

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運営資金は支援者からの寄付により賄われ、学校給食の配給もされていました。小学校一年生の中には、読み書きができない児童が多いことが実情であるものの、岸隊員が作成した、フォニックスカードやアルファベットカードを使用しながら、児童が主体的に学習できる環境づくりに重点を置きながら活動している様子を見ることができました。楽しみながら学べる学級づくりと、授業前の教材準備等担任の先生として児童のためにできることを試行錯誤しながら教鞭をとられる姿を見て、隊員として草の根で活動する意義を改めて実感しています。

一方、赴任されたころは、苦悩もあったと話されており、特に読み書き・計算が想像の100倍できないことのギャップに悩まされたそうです。日本の常識がザンビアでの常識に必ずしもならないことに苦悩されつつも、地道に活動されてきたことから、コミュニティスクールの中で岸隊員が大きな存在として尊敬されているのだと感じます。

残り二か月の任期で、実施したい活動としては、自立したコミュニティスクールの運営のために、学校を含むコンパウンドツアーの実施及びそのポスター作製を行う予定だそうです。ツアー実施で得た資金をコミュニティスクールの運営に回すことが目標であるとお話しされていました。益々のご活躍を祈っております!

信頼を構築して医療現場を支える - 藤富隊員

ザンビアの首都ルサカから車で一時間ほどの場所に位置するチョングウェで活動されている藤富隊員の活動に同行させていただきました。藤富隊員は、チョングウェ群保健局を配属先としながら、チョングエ群のヘルスセンターや病院を巡回し、環境衛生改善の促進に向けた活動をされています。

具体的には、

  1. 感染症廃棄物の分類や廃棄、消毒液の使用・作成方法の指導など、院内感染管理の強化
  2. 郡内にある43のヘルスセンターから得られた感染症データの動向調査及び月報の発行
  3. 水を起因とする下痢症状の調査やヒヤリング・啓発

を行っています。院内感染管理に関しては、感染性廃棄物とそれ以外のゴミを分類できるよう、ごみ箱の設置と視覚的にもわかりやすくポスターの掲載も一緒にされています。廃棄物がきちんと分別されているのか、ヘルスセンターや病院へ確認に行き、分別されていない場合は意義を含め医療スタッフに丁寧に指導されていました。

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加えて、消毒液については、現地スタッフは規定分量を量らず、長年の勘と目分量により作成されるといった課題があるとお聞きしました。日常生活で使用するペットボトルのキャップを使って、規定分量を量れるよう説明資料を作成し、ザンビア人にもわかりやすく、安全な環境で医療ツールが使用できるよう工夫されていたことが印象的です。お伺いした病院には、日本の協力により導入された医療機器が現在も使用されていることを見て感動したものの、他の病院には十分な機器がなかったり、ベッド数が足りず出産後数時間で帰宅を余儀なくされるといった、ひっ迫している現状であることも拝見しました。しかしながら、藤富隊員の活動視察を通して、保健局長を始め、医療現場の方々から尊敬され、信頼関係を構築しながら活動している様子に感銘を受けました。

今後は、乳児検診での下痢症の啓発活動に加え、学校での啓発活動も視野に入れて活動することを想定されているそうです。今後のご活躍にも期待しています!

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