JICA海外協力隊の世界日記

ザンビア便り

グローブもバットもいらない!ボール1つで楽しめる「Baseball5」

こんにちは!ザンビアのキトウェで協力隊として活動している多田有花です。
前回に引き続き、今回も私の活動についてご紹介します!

〜文化交流について紹介した記事はこちら〜
ザンビアの子供たちと文化交流! | ザンビア便り(ザンビア事務所) | JICA海外協力隊の世界日記

今回ご紹介するのは学校で実施しているBaseball5です。

配属先の学校からのスポーツ、特に野球を盛り上げたいという要望があり実施している活動です。過去には学校からナショナルチームに選出された生徒もいます。野球は競技人口が少ない分、サッカーなどメジャーなスポーツと比較するとチャンスが多い。学校としてはそうした活躍する生徒を輩出したいみたいです。

Baseball5とは、名前の通り5人1チームで、グローブもバットも使用せずボール1個でプレーできる野球です。基本的なルールは通常の野球と同じですが、ピッチャーもキャッチャーも設けられておらず、バッターは手でボールを打ちます。また、バッターがノーバウンドで外野ラインを超えるボールを打った場合はアウトになるなど、Baseball5ならではのルールもあったりします。

写真2.jpeg

Baseball5をプレーするのは毎週水曜日の放課後。今回はとある日のプレーの様子をご紹介します。

プレーする前は、整列して試合が始まります。この日はスポーツ担当の先生と一緒に試合を進行しました。

写真3(試合前の整列).jpg(試合前の整列)

試合が始まると、攻撃のチームは順番にバッターボックスに入ります。バッティングをして、1塁に全力疾走!

バッティングする際は、低めにボールを打つことがヒットになる秘訣なのだそうです。9年生の生徒になるとかなり速いスピードのボールを打ちます。

ヒットを繋ぎ、得点に繋がるとみんな嬉しそうにホームベースに戻ってきます。

写真を見ると分かりますが、制服のままプレーするんです。そして靴を脱いで裸足になる生徒も。裸足の方が走りやすいのだとか。これがアフリカ流なのでしょうか!笑

写真4(バッティングする生徒).jpg(バッティングする生徒)

守りのチームはというと、バッターが打った速い打球をキャッチするんです!素手で!私も思わず大きな声で「OUT!!」と叫びます。

彼らの動体視力の高さには驚かされました。これもザンビア人の能力?笑

Baseball5は通常1試合5イニングまでですが、この日は参加した生徒が多く3チームになったので回転率を上げるために各試合3イニングとしました。

スコアボードはないので、地面にチョークで得点表をかきます。

写真5(地面にかかれた得点表).jpeg(地面にかかれた得点表)

プレー後はまた整列し、両チーム握手を交わして試合終了です。

Baseball5のいいところは、プレーするハードルが低いことだと感じています。

揃えるのにお金がかかる野球道具がなくてもボール1つあればプレーすることができます。私の活動先の学校に通う生徒の多くは経済的に困難な環境で暮らしているため、野球道具を揃えることはできません。そんな彼らでも、Baseball5であれば野球を楽しむことができます。

また、広いグラウンドがなくても大丈夫!学校には運動場がありませんが、中庭でプレーすることができています。

写真6(試合終了の握手).jpg(試合終了の握手)

このようにBaseball5の活動をしている私ですが、実はこれまで野球をプレーしたことはない素人・・生徒たちがプレーする機会を作り、審判として試合の進行はしますが、技術的な指導まではできません。

そこで、学校近くの大学の野球部の学生さんを学校に招いて一緒に練習したり、ナショナルチームでプレーした経験がある卒業生に来てもらい指導してもらったりもしました。

やはり技術的なアドバイスをもらえることは大切ですね。いつもより生き生きプレーしていた気がします。

写真7(野球部の学生さんと練習した日の集合写真).jpeg(野球部の学生さんと練習した日の集合写真)

こうして積み上げてきた学校でのBaseball5の活動。

日本のように授業で体を動かす時間が十分に確保されていないザンビアの子どもたちにとって、スポーツをする機会を作ることはとても大切だと感じます。

私の帰任後もスポーツ担当の先生に頑張ってもらい、学校のBaseball5がより活発になることを願います!

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