JICA海外協力隊の世界日記

ザンビア便り

#1 YOUTH HEALTH CARE 健康を楽しく身近に

はじめまして。ザンビアのクリニックで感染症・エイズ対策をしています看護師の丸茂です。

ザンビアは、性と生殖に関する健康分野において、若者に優しい保健サービスの向上に積極的に取り組むため、多くのクリニックには、「Youth Friendly Corner(YFCs)」が設置されています。私の働いているクリニックでは、週2回、10〜24歳の青少年が学校終わりにクリニックに集まり、看護師やカウンセラーと共にヘルスについて学んでいます。今回は、その取り組みを数回に分けてご紹介したいと思います。


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ザンビアの青少年は、健康に関する情報を得るのが難しい状況にあります。学校での保健教育は十分ではなく、メディアやインターネットを利用できる人も限られています。こうした中で、地域の身近なクリニックで医療従事者から直接正しい情報を学べる機会は非常に貴重であることがわかります。

しかし、青少年は『楽しい』と思える場所でなければ集まりません。そこで、堅苦しい学びの場ではなく、「ここに来れば友達に会える」「安心できる」「一人じゃない」と感じてもらえるような“居場所づくり”を、同僚と心がけています。その一環として、青少年と一緒に『ヘルスカルタ』を作成しました。


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読み札はザンビアでのユースヘルスケアに関するキーワードをA~Zで短文にまとめ、絵札は青少年に描いてもらいました。学校に美術の必修授業がないため、絵を描き慣れていない子どもも多くいましたが、日本から持参した12色の色鉛筆を使い、楽しそうに絵を描く姿が見られました。


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完成したヘルスカルタで遊んでみると、想像以上に盛り上がり、私自身も驚きました。読み札には少し追加情報を加え、カードを取った人に読んでもらうことで、楽しく健康に関する情報を得られるように工夫しました。さらに、自分の描いた絵を手に入れようと熱心に競う青少年の姿は、いつ見ても微笑ましいものです。


また、イギリスの紅茶で例える「性的同意」の動画を参考に、ザンビア版として主食のシマで例えた動画を同僚と一緒に作成しました。その動画を青少年と視聴し、社会的に立場の弱い人々を守るうえで重要な GBVGender-Based Violence‐ジェンダーに基づく暴力) について考えるきっかけとしています。また、青少年同士で食材を持ち寄り、クッキングイベントも開催しています。ヘルスクイズやゲームの後には、みんなで食事を囲み、交流の場にもなっています。


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こうした小さな取り組みを通じて、ザンビアの青少年が健康を身近で楽しく捉えられるようになることを願っています。


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