JICA海外協力隊の世界日記

コミュニティヘルスナースの奮闘記☆彡

プロジェクトXi~高血圧&糖尿病と闘え!住民の組織を発足 その1~

はじまりは、カウンターパートさんの一言だった・・・。

「ちか、高血圧&糖尿病クラブを復活させよう!」 

私「???なんだそのクラブは!」

ここで背景を少しだけ説明させて頂きたい。

フィリピンには日本の厚生労働省のような保健省

Department Of Health 略してDOH)という組織がある。

DOHが医療に対する政策や予算の管理を担っている。

DOHにはそれぞれのプログラムがありその一つにNCDs対策

(NonーCommunicable Disease,非感染性疾患:いわゆる生活習慣病)がある。

DOHはそのプログラムをPhil PEN プログラムと名付けている。

Phil PEN プログラムの一つに高血圧&糖尿病クラブの設置が

各町にの保健センターに義務付けられている。

私の町では2017年に高血圧&糖尿病クラブが設置され、

各バランガイの代表者が選定されていた。

一度だけ代表者会議をした(らしい)。

このネーミングは”THE"という感じで対象がわかりやすいのだが、

一体何をしているのか、知る者はいなかった。

米の収穫時期である2019年3月、何からはじめていいかわからなかった

私は代表者を集めることにした。

よし、代表者に連絡をとるか・・・!

どうやって代表者を集めるのか・・・

連絡先さえも分からない・・・

私は本当に無力だなと痛感した。人の集め方さえ知らなかったのだ。

カウンターパートに相談し、ワードでレターを作成した。

誰かに渡してもらえばいいのだが、正直、

その手紙が本人の手に届くのが信用できなかった。

その頃、自転車を入手した私は、7バランガイ計12名

の代表者に手紙を届けるため、〒郵便配達員になった。

写真:犬が出迎えてくれる様子。

大体の家の場所は同僚に聞き、詳細な位置は住民に尋ねた。

突然家にやってきた、日本人にびっくりする代表者たち。

代表者であることを彼らはすっかり忘れていた。

レターを手渡しし、会議の日時を伝え、家を後にする。

初会議当日。

私は人が集まるかという不安と発足の高揚感の狭間にいた。

これは、私がフィリピンに来て切実に学んだことの一つだが、

フィリピンでは人を集めるには「対価」が必要不可欠なのである。

会議の途中のスナック(といってもハンバーガーやスパゲッティ等

食事の1食分に値する高カロリーなもの、甘いアイスティー)等である。

(これが生活習慣病の大きい原因の一つだとわかったのは任地にきた初日だ)

初めての会議ということで気合が入っていた私は前夜にさつまいも、

かぼちゃ、バナナたっぷりの蒸しケーキを作った。

(砂糖は少なめ)分量がわからず、蒸すのに1時間かけても固まらず

半生であったが、予想以上に反応がよかったことに驚きを隠せなかった。

当日は10名が参加してくれた。

偶然にも他の案件で配属先に来ていたJOCVさんに運営を手伝って

もらった(神の手とは正にこのことである)

カウンターパートにオープニング、ドクターにクロージングを

してもらい、なんとかクラブの発足をすることができた。

次回は各バランガイでクラブを立ち上げることになった。

さて、バランガイでは人は集まったのであろうか?

次回「一人涙した昼さがり?!」

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