2020/01/13 Mon
現地業務費で糖尿病のフォロー体制づくり
Gigutom ko!(ギグトム コ) =「私はお腹が空いています」
今まさに空腹状態の2018年度1次隊の赤木です。(^^)/
先日12月17日に糖尿病の患者さんの血糖測定会を実施致しました。
このイベントのきっかけは、JICAの現地業務費で血糖測定器とろ紙を購入させて頂いたこととドクターの提案に始まります。
まず最初に現地業務費のことについて簡単に説明させて頂きます。
受け入れ国での配属先が抱える様々な問題の中に予算的な問題もあり、効果的な活動が期待できない場合があります。
現地業務費とはこの状況を自助努力を促しつつ解決するために、JICAが活動経費の一部を支援する制度です。
フィリピンでは町の収入別でレベルが分けられていますが、私の任地は最も低いレベル4に区分されています。
業務で使用するコピー用紙でさえ供給がないときは自分たちのお金で買うこともあります。
医療物品の供給は大きく分けて2つのルートがあり町役場からと保健省があります。
12月17日のイベントについては次回ご紹介するとして、今回は私の配属先の糖尿病患者さんのフォローアップ体制とこの現地業務費という予算を申請し、血糖測定器の購入に至った話からお話ししたいと思います。
配属先での糖尿病患者さんへのフォローの現状は以下になります。
・薬の無料配布(供給がある場合のみ)
薬は【Metformin】と【Gliclazide】の2種類
・インスリンの無料配布(こちらも供給がある場合のみ)
【Recombinant Human Insulin】
・受診を希望する患者の診察
基本は以上の3つです。
血糖測定は診療所では定期的に行えていません。
なぜならば、血糖測定のためのろ紙が期限が切れているからです。
2017年頃に保健省から血糖測定器の配布があり、その後ろ紙の給付があるときのみ測定ができます。
どうして血糖測定の機械があるのに、役所の予算でろ紙を買わないのか?
とても不思議でした。
カウンターパートに尋ねると、糖尿病のろ紙の購入は町役場に昨年から申請しているが、1年経過した今も納品されないということでした。
私は、薬局に機械とろ紙の値段を調査をしました。
すると保健省が給付したブランドの機械やろ紙が任地では販売されていないことがわかりました。
保健省は首都にあるので、首都でしか手に入らないブランドだったのです。
これでは、確かに、ろ紙を購入することができまんよね。
血糖測定ができないとそもそも糖尿病のリスクがあるかどうかもわかりませんし、数値に現れないと指導も難しいし説得力にも欠けます。
そこで、JICA事務所に相談させて頂いて以下の条件で血糖測定の機械とろ紙を現地業務費で購入して頂くことになりました。
条件1.今度も現地で血糖測定のろ紙を調達することで、配属先が継続して血糖測定を行っていくこと
条件2.今回の血糖測定のろ紙の購入はあくまでも糖尿病の現状把握のための調査であること。
定期的な測定は配属先の費用で購入すること。
条件3.NCDsリスクアセスメントシートの問診を同時に行い、フォローアップの体制を作っていくこと
です。以上のことをカウンターパートとドクターに理解を得て申請を行いました。
この理解を得るのも一筋縄ではいかずこの話が出た半年前は
「JICAのプログラムなんだから、血糖測定器を購入するのはいいけど私たちからはJICA事務所にに購入の依頼はできない」
というスーパーアドバイザーのドクターと血糖測定器とろ紙を買ってほしいというカウンターパートの意見が異なり苦労しました。
また
「JICA(あなたの)のプログラムなんだから!」
と言われた時は私一人のプログラムなんだとショックを受けていた頃が今思えば懐かしいです。
なので、今回血糖測定の機械の購入ができたこととドクターがイベントをしようと提案してくれたことは私にとってとても大きな進歩で嬉しいことでした。
大きな転機は7月に開催された中間発表にドクターとカウンターパートが参加してくれたことだと思います。
というわけで、提案から半年が経ち12月にやっと血糖測定器の購入に至りました!
写真「職場の人とロゴを貼る様子」
写真「血糖測定器」
今後は配属先の人に管理をしてもらえるように、何ごとも一人でしないように心がけています。
さて、皆さん、血糖の結果はどうだったか気になるところだと思います。
次回は糖尿病患者の血糖測定検査のイベントと血糖値の結果についてお伝えしたいと思います。
では次の奮闘記でお会いしましょう。(*^-^*)
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