JICA海外協力隊の世界日記

エクアドルの水事情

エクアドルの水事情・・その2

いろいろ水道以外の話へも脱線しながらエクアドルを紹介もしていきます。今回は、脱線です。

私の働く職場は、標高4650mのピチンチャ山の麓です。

写真で言うと手前が昔は競馬場だったらしいカロリーナ公園。その奥に見える山がピシンチャ山で、麓のちょうど住宅の切れるぐらいに職場があります。

仕事は主には水道メーターの管理です。

他に、要望のあった家屋の新設下水引き込み管の調査、その工事の見積りや日程の調整業務です。

チョッと興味深かったのは、下水の取付支管は45度のモノしか使用しないこと。

各家屋から45度の角度でしか下水本管に接続しません。何か障害物があると・・接続できない・・・ですので、家屋の下水の桝の位置は制限されます。

なぜ?・・45度しか使わないのかはよく判りません。

30度、60度、いやいや、自由に角度を変えれる支管もあるんですが・・エクアドルには無いのかな?

まぁ、実際は日本ほど道路事情は悪くなく、道も広いし・・地中にガス管はありません。

道路内には埋設物も少なくて、割合工事としては楽そうで、問題もそう無いのかもしれません。

日本は個人が施工業者を選んで、業者が申請や工事を行いますが、エクアドルは個人が下水道公社に申請したら、公社職員が現場調査や見積り、工事日程の調整を行い、公社が決めた下請け業者か直営部隊が工事も行っているようです。

ビルや家の建設時の申請や工事施工のシステム、顧客と施工業者、下請け業者、管理する窓口になる公共機関の関係が日本と違います。

下水管だと日本では道路掘削の許可を取り、他の埋設管調査、ガス、NTT、電気、水道等々とも協議をせねばなりません。

がキトでは、そんな事はしないようです。

おかげ?・・で、道路工事で水道管を破損したり、ケーブルテレビや電話が繫がらなくなったり、もタマにあります。

断水になって、何時直るの?と聞いても「う~ん・・明日?・・かな」ぐらいのノリです。徹夜で復旧はしません。

仮設配管して3時間だけ時間給水、とかもありますが、特にPRもなくて、「あっ!水道が出た!・・ん?また出ない。」

二日目からは、バケツやなんかに水を貯めるようになる。

食堂なんか商売上がったりですが、チョッと離れた公園の散水栓から水を引っぱってきて営業しているのを見て、「う~ん・・タクマしいモンだ」と思いました。

(写真は壊れたままの会所蓋、下が蓋のないマンホール。割合当たり前にあったりしますので・・注意が要ります。)

下水管に接続すると、水道料金の30%ほどの下水道使用料を徴収します。この辺は日本と同じ。

下水道普及率92.5%!

ですが・・その・・アノ・・・キトには下水処理場はありません。目下建設中だそうです。

キトは高地にありますので、海まで水は流れるのでして下流の方々の水源地が何処か知りませんが、あまりよろしくない状況です。

キトは地形が複雑ですので一箇所の処理場じゃ難しいかなぁ、とも思いますが。

ちなみにトイレットペーパーは流してはいけません。

売ってるのも水に溶けるタイプでは無いですね。

雨水も一緒の合流式?、汚水雑廃水だけの分流式?

基本的には分流式を採用してるようです。屋根のトイの水は道路にドドっと流れてまして、歩くのに気をつかいます。

しかし、雨管が別にあるようでもなく、水道の漏水で家の排水の配管を調査したりしますが、チャンと雨水と汚水雑廃水を分けてる風でもなく・・・。

(写真は上がガスのタンクを売る様子。下がガスのタンク車です。)

ガスは、あります。

プロパンガスです。

トラックにタクさんタンクを積んでワイわいマイクで言いながら売りにきます。

客はカラのタンクを持っていき交換。

一本2.5ドルです。

通貨は2000年までスクレ(10スクレ=1ドル)だったのですが、今は米ドルが通貨です。ちなみに今は20スクレが1ドルのようです。

小銭も米硬貨。セントと言わずにセンターボと呼んでいます。

キト市内のバスは大抵25センターボです。

ガスは安いんですが、実は政府が補助金を出しています。一本20ドル。

今後、補助金制度を見直すそうでオール電化を政府は薦めています。ですので、都市ガスは引かないんでしょうね。

エクアドルは、天然ガス産出国で輸出もしています。

また、石油の埋蔵国でもあります。

石油はエクアドルの東部のアマゾン地域にあります。アマゾン地域のジャングルの下に石油がありますが、採掘すると環境が破壊されます。コレといった産業のないエクアドルには石油は外貨獲得の重要な手段です。

しかし、環境問題、先住民問題もあり、2008年に採掘を断念、環境保護の寄付基金を募りました。

が、寄付金は集まらず、2013年に開発宣言をしています。

議会承認も必要で開発反対派も多く、ヤスニ問題と呼ばれ、先住民の問題と併せて、国内問題になっています。

ガスは、家庭用ボンベが主ですが、まれに地下等に小型のガスタンクがあり、全館給ガスしてるマンションやビルもあります。

この、大小のタンク、どうやら安全基準がないようでタマに爆発事故があるようです。

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